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2009 年度 実績報告書

パルス強磁場XMCDによる元素選択磁化測定技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21340107
研究機関(財)高輝度光科学研究センター

研究代表者

中村 哲也  (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主幹研究員 (70311355)

研究分担者 鳴海 康雄  東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (50360615)
キーワード放射光 / 磁性 / 軟X線 / 強磁場 / 物性実験
研究概要

放射光軟X線を用いたXMCDによる元素選択磁化測定は、従来の磁化測定における熱磁化曲線や磁気ヒステリシス曲線に対応する情報が、磁性体に含まれる磁性元素毎に得られることが最大の特徴であり、従来の手法では成し得ない非常に強力な磁性研究手段に発展している。より強い磁場下での測定が求められるなか、現在までに10テスラを超える磁場下での測定報告は皆無である。本研究課題では、元素選択磁化測定という素晴らしい磁性研究ツールを一層発展させるべく、世界に先駆けてパルスマグネットを用いた20テスラを超える強磁場下での強磁場元素選択磁化測定技術の開発を行っている。当該年度には、パルスXMCD測定装置を製作し試行実験を行った。本装置は液体窒素直接冷却のパルスマグネットを備え、試料は液体ヘリウムフロークライオスタットにより10K以下に冷却可能となっている。CoFe合金薄膜を試料とした試験測定の結果、これまでの定常磁場による最高磁場強度10テスラを大きく上回る最大21テスラのパルス磁場を発生させ、世界で初めてのパルス強磁場下軟X線MCD測定に成功した。本測定技術の実現により、3d遷移金属元素の3d電子磁性やランタノイド元素の4f電子磁性が強磁場下で観測可能となった。また、1nA以下の微小電流を測定するためにパルス磁場下では困難が予想された「全電子収量法」を敢えて用いたことにより、バルク・粉末・薄膜などの幅広い試料形態に対応できる測定技術としてインパクトの大きい測定手法を生み出したと言える。今後は25~30テスラ領域の測定を目指すとともに、メタ磁性物質を中心に本測定技術を活かした物質研究を展開していく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] パルス強磁場による軟X線MCD測定技術の開発2010

    • 著者名/発表者名
      中村哲也
    • 学会等名
      第23回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム
    • 発表場所
      イーグレひめじ(兵庫県姫路市)
    • 年月日
      2010-01-07
  • [学会発表] 強磁場X線MCD測定用コンパクト電源の開発と応用2009

    • 著者名/発表者名
      林美咲
    • 学会等名
      物構研シンポジウム'09
    • 発表場所
      つくば国際会議場(茨城県)
    • 年月日
      2009-11-18
  • [学会発表] パルス強磁場下での軟X線測定技術の開発2009

    • 著者名/発表者名
      中村哲也
    • 学会等名
      日本物理学会2009年秋季大会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本県)
    • 年月日
      2009-09-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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