研究課題/領域番号 |
21340127
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮崎 真一 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00334285)
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研究分担者 |
堀 高峰 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, サブリーダー (00359176)
光井 能麻 名古屋大学, 環境学研究科, 研究員 (20435837)
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キーワード | GPS / スローイベント / データ同化 / 摩擦特性 / 八重山地方 / アジョイント法 / SIS |
研究概要 |
今年度は、八重山スローイベントの観測網の拡充のため、西表島大原・船浮、黒島、小浜島にGPS連続観測点を設置した。 また、国土地理院のGPS連続観測網を用いた過去の研究の再検討を行った。専攻研究では、スローイベントは八重山地方のみで観測されていたとしているが、GPS観測時系列を検討したところ、宮古島地方でもスローイベントに伴う変位が、八重山地方より遅れて観測されている可能性が出てきた。最終的な結論には至っていないが、我々の指摘が正しければ、スローイベントの発生領域が八重山地方から北まで伸びており、北に向かう伝播速度から、摩擦特性に対してさらなる拘束条件が得られる可能性がある。 データ同化手法の構築に関しては、大気・海洋の分野でよく使われる「アジョイント法」や、モンテカルロ的な手法である「SIS法」を我々の問題に適用できることを確認することができた。ここでは、スローイベントより摩擦特性の推定が簡単と考えられる余効すべりに対して、2003年十勝沖地震後の余効すべりを模した人工データを作成し、人工データ作成に用いた「真の」摩擦パラメータがアジョイント法やSIS法によってどの程度復元されるかをみた。その結果、復元の難しいパラメータもあるが、どのような観測をすればこれが求まるかを示すことができた。また、それぞれの手法の長短もわかったので、状況に応じて使い分ければよい。 最後に、階層型アスペリティーにおける断層すべりの発生パターンに関するシミュレーションを行った。これによって、スローイベントの発生場の理解が進んだ。
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