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2010 年度 実績報告書

スペクトル要素法を用いた波形インバージョンによる日本列島深部構造の決定

研究課題

研究課題/領域番号 21340131
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

坪井 誠司  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球情報研究センター, 部長 (90183871)

キーワード理論地震波形計算 / 地球内部構造インバージョン / 地球内部3次元構造モデル
研究概要

平成22年度は、日本列島下の構造を十分な解像度で求めることが出来るように昨年度に決定した領域を用いて、地震の震源と地震観測点の組み合わせに対してカーネルの計算を実施した。カーネルは理論波形のP波とS波の到着時を元にして、adjoint法により計算した。計算したカーネルを領域内でプロットして、正しい空間分布を持っているかを検討した。カーネルの精度は周期20秒程度であり、実体波としてはやや長周期であるが、破線の周りに感度の高い領域が分布していることが確認され、この研究計画で実施しようとしている波形インバージョンの精度としては十分であることが分かった。計算したカーネルは地震50個程度まで得ることが出来たが、第一回のインバージョンでは可能な限り100個程度の地震に対して計算することを目標として設定した。今後、カーネルの計算を引き続き実施し、平成23年度の早い段階でこれらのカーネルを用いて内部構造のインバージョンを実施する。
理論地震波形計算を新地球シミュレータ上で、周期3.5秒の精度で実施した。この地震波形を地震震源対蹠点の観測記録に適用し、球対称構造では観測波形を説明できないことから、地球内核-外核境界の特定の部分に地震波速度がきわめて遅い不均質構造が存在することを明らかにした。この内容を学会で報告すると共に論文を発表した。また、異方性構造を求める従来の手法に対する反射波の後続相の影響を厳密な理論地震波形に基づいて考察し、異方性構造がない場合でも擬似的な異方性構造の影響を示す場合あることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Evidence of a thick localized ultra low velocity zone inside the Pacific slow region at the base of the mantle2011

    • 著者名/発表者名
      Akiko To
    • 雑誌名

      Phys.Earth Planet.Inter.

      巻: 184 ページ: 119-133

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rupture process of the 2008 Wenchuan, China earthquake inferred from teleseismic waveform inversion and forward modeling of broadband seismic waves2010

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Nakamura
    • 雑誌名

      Tectonophjysics

      巻: 491 ページ: 72-84

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Antipodal seismic observation of temporal and global variation at Earth's inner-outer core boundary2010

    • 著者名/発表者名
      Rhett Butler
    • 雑誌名

      Geophys.Res.Lett.

      巻: 37 ページ: L11301

    • 査読あり
  • [学会発表] Letermination of Earth structure using waveform inversion and Spectral-Element Method2010

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Obayashi
    • 学会等名
      American Geophysical Union
    • 発表場所
      米国サンフランシスコ市モスコーニ会議場
    • 年月日
      2010-12-15

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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