研究課題/領域番号 |
21340133
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡 英太郎 東京大学, 海洋研究所, 講師 (60360749)
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研究分担者 |
岩坂 直人 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (60211760)
須賀 利雄 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70211977)
植原 量行 東海大学, 海洋学部, 准教授 (90371939)
辻野 博之 気象庁気象研究所, 海洋研究部, 主任研究官 (50343893)
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キーワード | サブダクション / モード水 / 水塊 / 北太平洋 |
研究概要 |
亜熱帯モード水のサブダクションおよび分布に中規模渦が与える影響について、高解像度大循環モデルを用いた研究を行った。その結果、渦によるサブダクション率は平均流によるそれとほぼ同程度であることが示された。また渦によるサブダクションに伴う具体的なプロセス(1.亜熱帯モード水を内包した渦の南への移動、2.渦による水平混合)を明らかにした。これらは気候値データの解析や低解像度のモデル結果に基づく従来の亜熱帯モード水のサブダクション像を塗り替えるものであり、アルゴデータ等の解析結果を補う重要な結果である。また、毎冬形成される亜熱帯モード水の厚さの時間変動およびとその要因を、長期の観測データの解析により調べた。冬季の亜熱帯モード水の厚さは経年スケールおよび10年スケールで変動していた。この変動は晩秋から初冬にかけての海面熱フラックスおよび前年の夏に存在していた亜表層の鉛直密度成層の強さと高い相関があり、両者の寄与は同程度であることが示された。さらに、中央モード水の形成過程に関してもアルゴデータを用いた研究を行い、黒潮続流の北、日本の東から西経160度付近まで東西に伸びる2つの領域で深い冬季混合層が形成され、その東側部分から2種類の中央モード水として主密度躍層にサブダクトすることを明らかにした(論文投稿中)。2009年10月には日本の東方海域においてCTDやマイクロストラクチャプロファイラーを用いた船舶観測を行い、亜熱帯モード水等の水塊構造とそれに伴う鉛直拡散係数の分布を測定した。
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