大気境界層の激しい渦の発生機構・構造・力学及び乱流輸送に果たす役割の解明

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21340134
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 気象・海洋物理・陸水学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 新野 宏 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (90272525)
• 連携研究者: 伊賀 啓太 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (60292059)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: 気象学 / 対流混合層 / 大気境界層 / ラージ・エディ・シミュレーション / 渦 / 塵旋風 / 竜巻 / 回転境界層

研究概要

塵旋風・蒸気旋風・竜巻の発生機構・構造・力学の理解を多様な手法で進め、以下のことがわかった。塵旋風は、対流混合層の中層で作られる循環が下降流で地表面近くに運ばれ、これが上昇流域に角運動量保存的に収束することにより発生する。湿潤対流混合層で生ずる蒸気旋風は降水の無い場合には塵旋風と似た機構で発生するが、降水がある場合は、隣接する降水域からの冷気プールの衝突が重要な役割を果たす。これら強い渦の接線速度分布には2つのレジームがあり、回転境界層が重要な役割を果たす。

研究成果

• [雑誌論文] Effects of ambient rotation on dust devils (2011)
  • 著者名/発表者名: Ito, J., H. Niino, and M. Nakanishi
  • 雑誌名: SOLA 巻: Vol.7 ページ: 165-168
  • DOI: doi:10.2151/sola.2011-042
  • 査読あり
• [雑誌論文] The mechanism of upper-oceanic vertical motions forced by a moving typhoon (2011)
  • 著者名/発表者名: Suzuki, S., H. Niino, and R. Kimura
  • 雑誌名: Fluid Dynamics Research 巻: Vol.43 ページ: 025504
  • DOI: doi:10.1088/0169-5983/43/2/
  • 査読あり
• [雑誌論文] Response of marine ecosystem to typhoon passage in the western subtropical North Pacific (2011)
  • 著者名/発表者名: Shibano, R., Y. Yamanaka, N. Okada, T. Chuda, S. Suzuki, H. Niino, M. Toratani
  • 雑誌名: Geophysical Research Letters 巻: Vol.38 ページ: L18608
  • DOI: doi:10.1029/2011GL048717
  • 査読あり
• [雑誌論文] 円筒容器で回転する水の振動現象と履歴現象 (2011)
  • 著者名/発表者名: 渡邉俊一、伊賀啓太、横田祥、新野宏、三澤信彦
  • 雑誌名: ながれ 巻: 30巻 ページ: 455-458
• [雑誌論文] Vortex flow produced by schooling behavior of arabesque greenling Pleurogrammus azonus (2011)
  • 著者名/発表者名: Kitagawa, T., T. Nakagawa, R. Kimura, H. Niino, and S. Kimura
  • 雑誌名: Fisheries Science 巻: Vol.77 ページ: 217-222
  • 査読あり
• [雑誌論文] A Numerical investigation of a supercell tornado : Genesis and vorticity budget (2010)
  • 著者名/発表者名: Noda, A. T. and H. Niino
  • 雑誌名: Journal of the Meteorological Society of Japan 巻: Vol.88 ページ: 135-139
  • 査読あり
• [雑誌論文] Large eddy simulation on dust suspension in a convective mixed layer (2010)
  • 著者名/発表者名: Ito., J., H. Niino and M. Nakanishi
  • 雑誌名: SOLA 巻: Vol.6 ページ: 133-136
  • 査読あり
• [雑誌論文] Large eddy simulation of dust devils in a diurnally-evolving convective mixed layer (2010)
  • 著者名/発表者名: Ito, J., R. Tanaka, H. Niino, and M. Nakanishi
  • 雑誌名: Journal of the Meteorological Society of Japan 巻: Vol.88 ページ: 63-67
  • 査読あり
• [雑誌論文] Structure of a bathtub vortex : Importance of the bottom boundary layer (2010)
  • 著者名/発表者名: Yukimoto, S., H. Niino, T. Noguchi, R. Kimura, and F. Moulin
  • 雑誌名: Theoretical and Computational Fluid Dynamics 巻: Vol.24 ページ: 323-327
  • 査読あり
• [雑誌論文] ラージ・エディ・シミュレーションに基づく改良Mellor-Yamada Level3乱流クロージャーモデル(MYNNモデル)の開発と大気境界層の研究-2009年度日本気象学会賞受賞記念講演- (2010)
  • 著者名/発表者名: 中西幹郎、新野宏
  • 雑誌名: 天気 巻: 57巻 ページ: 877-888
• [雑誌論文] Numerical simulation of a tornadogenesis in a mini-supercell in an outer rainband of Typhoon Shanshan on 17 September 2006 (2009)
  • 著者名/発表者名: Mashiko, W., H. Niino, and T. Kato
  • 雑誌名: Monthly Weather Review 巻: Vol.137 ページ: 4238-4260
  • 査読あり
• [雑誌論文] Development of an improved turbulence closure model for the atmospheric boundary layer (2009)
  • 著者名/発表者名: Nakanishi, M. and H. Niino
  • 雑誌名: Journal of the Meteorological Society of Japan 巻: Vol.87 ページ: 895-912
  • 査読あり
• [雑誌論文] 台風と竜巻-その理解の現状と対策- (2009)
  • 著者名/発表者名: 新野宏
  • 雑誌名: ウェッジ 巻: 11月号 ページ: 62-65
• [学会発表] 塵旋風のスケーリング (2011)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏、中西幹郎
  • 学会等名: 第13回地球流体力学研究集会
  • 発表場所: 九州大学雨要力学研究所(福岡県)
  • 年月日: 20111214-15
• [学会発表] ITCZ breakdownに伴って生じる台風の発生・発達過程 (2011)
  • 著者名/発表者名: 横田祥、新野宏、柳瀬亘
  • 学会等名: 第13回地球流体力学研究集会
  • 発表場所: 九州大学雨要力学研究所(福岡県)
  • 年月日: 20111214-15
• [学会発表] 円筒容器内で回転する水の表面変形とその履歴現象 (2011)
  • 著者名/発表者名: 渡邉俊一、新野宏, 他3名
  • 学会等名: 第13回地球流体力学研究集会
  • 発表場所: 九州大学雨要力学研究所(福岡県)
  • 年月日: 20111214-15
• [学会発表] Numerical study on factors that affect the horizontal scale of tropical cyclones (2011)
  • 著者名/発表者名: Takeda, K., H. Niino and W. Yanase
  • 学会等名: Fifth Korea-China-Japan Joint Conference on Meteorology
  • 発表場所: Busan, Korea
  • 年月日: 20111024-26
• [学会発表] A numerical experiment on the genesis of tropical cyclones due to ITCZ breakdown mechanism (2011)
  • 著者名/発表者名: Yokota, S., H. Niino and W. Yanase
  • 学会等名: Fifth Korea-China-Japan Joint Conference on Meteorology
  • 発表場所: Busan, Korea
  • 年月日: 20111024-26
• [学会発表] Formation mechanism of dust devils in idealized convective mixed layers (2011)
  • 著者名/発表者名: Ito, J., H. Niino and M. Nakanishi
  • 学会等名: Fifth Korea-China-Japan Joint Conference on Meteorology
  • 発表場所: Busan, Korea
  • 年月日: 20111024-26
• [学会発表] Terra Incognitaにおける大気境界層モデルのアプリオリ・テスト (2011)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏、中西幹郎
  • 学会等名: 第13回非静力学モデルに関するワークショップ
  • 発表場所: 防災科学技術研究所雪氷防災研究センター(新潟県)
  • 年月日: 20111013-14
• [学会発表] 2011年4月25日に千葉県北西部で発生した竜巻の数値シミュレーション (2011)
  • 著者名/発表者名: 荒木健太郎、新野宏、加藤輝之
  • 学会等名: 第13回非静力学モデルに関するワークショップ
  • 発表場所: 防災科学技術研究所雪氷防災研究センター(新潟県)
  • 年月日: 20111013-14
• [学会発表] LESで再現したDust Devilのトラッキング (2011)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏、中西幹郎
  • 学会等名: 日本気象学会秋季大会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2011-11-17
• [学会発表] 2011年4月25日に千葉県北西部で発生した竜巻の数値シミュレーション (2011)
  • 著者名/発表者名: 荒木健太郎、新野宏、加藤輝之
  • 学会等名: 日本気象学会秋季大会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2011-11-17
• [学会発表] CZ-Breakdownに伴うハリケーン発生の理想化実験 (2011)
  • 著者名/発表者名: 横田祥、新野宏、柳瀬亘
  • 学会等名: 日本気象学会秋季大会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2011-11-17
• [学会発表] 西大西洋に発生したtwin cyclonesの再現実験 (2011)
  • 著者名/発表者名: 吉村淳、新野宏、柳瀬亘
  • 学会等名: 日本気象学会秋季大会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2011-11-17
• [学会発表] 円筒容器内で回転する水の表面変形とその履歴現象 (2011)
  • 著者名/発表者名: 渡邉俊一、新野宏、(他2名)
  • 学会等名: 第13回地球流体力学研究集会
  • 発表場所: 首都大学東京(東京都)
  • 年月日: 2011-09-09
• [学会発表] Dust Devilのスケーリング (2011)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏、中西幹郎
  • 学会等名: 第13回地球流体力学研究集会
  • 発表場所: 首都大学東京(東京都)
  • 年月日: 2011-09-09
• [学会発表] 2011年4月25日に千葉で発生した竜巻の数値シミュレーション (2011)
  • 著者名/発表者名: 荒木健太郎、新野宏、加藤輝之
  • 学会等名: 第13回地球流体力学研究集会
  • 発表場所: 首都大学東京(東京都)
  • 年月日: 2011-09-09
• [学会発表] Large eddy simulation of sea breeze and scaling of its horizontal extent (2011)
  • 著者名/発表者名: Ito, J., H. Niino and M. Nakanishi
  • 学会等名: 14th AMS Conference on Mesoscale Processes
  • 発表場所: Los Angeles, USA
  • 年月日: 2011-08-01
• [学会発表] 円筒容器内で回転する水の表面変形 (2011)
  • 著者名/発表者名: 渡邉俊一、新野宏(他3名)
  • 学会等名: 日本地球惑星科学連合大会
  • 発表場所: 幕張メッセ(千葉県)
  • 年月日: 2011-05-21
• [学会発表] 回転する流体中に見られた振動現象と履歴現象 (2011)
  • 著者名/発表者名: 渡邉俊一、新野宏(他3名)
  • 学会等名: 日本気象学会春季大会
  • 発表場所: 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都)
  • 年月日: 2011-05-21
• [学会発表] 台風の水平スケールに影響する要因に関する数値的研究 (2011)
  • 著者名/発表者名: 武田一孝、新野宏、柳瀬亘、沢田雅洋
  • 学会等名: 日本気象学会春季大会
  • 発表場所: 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都)
  • 年月日: 2011-05-21
• [学会発表] ITCZ Breakdownによって発生した台風の再現実験 (2011)
  • 著者名/発表者名: 横田祥、新野宏、柳瀬亘
  • 学会等名: 日本気象学会春季大会
  • 発表場所: 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都)
  • 年月日: 2011-05-20
• [学会発表] 2009年8月9日に中国山地東部の豪雨をもたらした降水系について (2011)
  • 著者名/発表者名: 宮城和明、新野宏
  • 学会等名: 日本気象学会
  • 発表場所: 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都)
  • 年月日: 2011-05-18
• [学会発表] 環境場の回転のDust Devilへの影響 (2010)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏、中西幹郎
  • 学会等名: 日本気象学会秋季大会
  • 発表場所: 京都テルサ(京都)
  • 年月日: 20101027-29
• [学会発表] Dust Devilの鉛直渦度と対流混合層の循環 (2010)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏、中西幹郎
  • 学会等名: 日本流体力学会年会
  • 発表場所: 北海道大学札幌キャンパス(北海道)
  • 年月日: 20100911-11
• [学会発表] Dust Devilの鉛直渦度の生成機構 (2010)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏、中西幹郎
  • 学会等名: 日本地球惑星科学連合大会
  • 発表場所: 幕張メッセ国際会議場(千葉)
  • 年月日: 20100523-28
• [学会発表] 対流混合層で生成される鉛直渦度のスケーリング2 (2010)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏、中西幹郎
  • 学会等名: 日本気象学会春季大会
  • 発表場所: 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京)
  • 年月日: 20100523-26
• [学会発表] Dust Devilの形成プロセス (2010)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏、中西幹郎
  • 学会等名: 東京大学大気海洋研究所共同利用研究集会
  • 発表場所: 東京大学大気海洋研究所講堂(千葉)
  • 年月日: 2010-12-10
• [学会発表] A numerical study on steam devils in a moist convective mixed layer (2010)
  • 著者名/発表者名: Yamaguchi, H., H. Niino, and M. Nakanishi
  • 学会等名: 1st International Workshop on Nonhydrostatic Numerical Model, Japan Meteorological Society
  • 発表場所: 京都大学理学部セミナーハウス
  • 年月日: 2010-10-29
• [学会発表] Large Eddy Simulation on Dust Devils (2010)
  • 著者名/発表者名: J. Ito, H. Niino, and M. Nakanishi
  • 学会等名: 1st International Workshop on Nonhydrostatic Numerical Model, Japan Meteorological Society
  • 発表場所: 京都大学理学部セミナーハウス
  • 年月日: 2010-10-29
• [学会発表] 境界層と自由大気の相互作用 (2010)
  • 著者名/発表者名: 新野宏
  • 学会等名: 日本気象学会秋季大会大会シンポジウム
  • 発表場所: 京都テルサ(京都)
  • 年月日: 2010-10-28
• [学会発表] Large Eddy Simulation of Dust Devils in a Convective Mixed Layer (2010)
  • 著者名/発表者名: J. Ito, H. Niino, and M. Nakanishi
  • 学会等名: 3rd International Workshop on Next-Generation NWP Models
  • 発表場所: The Seogwipo KAL Hotel(韓国、チェジュ島)
  • 年月日: 2010-08-30
• [学会発表] ダストデビルの鉛直渦度の生成機構とその性質 (2010)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏、中西幹郎
  • 学会等名: 第59回理論応用力学講演会
  • 発表場所: 日本学術会議(東京)
  • 年月日: 2010-06-10
• [学会発表] シビア現象の理解・予測にむけた課題と期待 (2010)
  • 著者名/発表者名: 新野宏
  • 学会等名: 日本気象学会春季大会大会シンポジウム
  • 発表場所: 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京)
  • 年月日: 2010-05-25
• [学会発表] 湿潤対流混合層内に発生する鉛直渦 (2009)
  • 著者名/発表者名: 山口春季、新野宏
  • 学会等名: 日本気象学会秋季大会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2009-11-27
• [学会発表] Dust Devilの鉛直渦度の成因 (2009)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏、中西幹郎
  • 学会等名: 日本気象学会秋季大会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2009-11-25
• [学会発表] A numerical experiment on dust devils in a diurnally-evolving convective mixed layer (2009)
  • 著者名/発表者名: J., Ito, H. Niino, and M. Nakanishi and R. Tanaka
  • 学会等名: Fourth Korea-China Japan Joint Conference on Meteorology
  • 発表場所: Tsukuba
  • 年月日: 2009-11-19
• [学会発表] 強いDust Devilを再現するためのLESモデル (2009)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏、中西幹郎、小林宏充
  • 学会等名: 第11回非静力学モデルに関するワークショップ
  • 発表場所: 弘前
  • 年月日: 2009-09-25
• [学会発表] Dust Devilの鉛直渦度の起源 (2009)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏、中西幹郎
  • 学会等名: 日本流体力学年会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2009-09-02
• [学会発表] 竜巻と塵旋風-大気の激しい渦の理解の現状と課題- (2009)
  • 著者名/発表者名: 新野宏
  • 学会等名: 第58回理論応用力学講演会
  • 発表場所: 日本学術会議(東京)
  • 年月日: 2009-06-10
• [学会発表] ラージ・エディ・シミュレーションで再現された対流混合層のLES (2009)
  • 著者名/発表者名: 伊藤純至、新野宏
  • 学会等名: 日本地球惑星科学連合大会
  • 発表場所: 幕張メッセ(千葉)
  • 年月日: 2009-05-17
• [図書] 風の事典 (2011)
  • 著者名/発表者名: 真木太一、新宏、野村卓史、林陽生、山川修治
  • 総ページ数: 276
  • 出版者: 丸善
• [図書] 自己組織化ハンドブック、第1章、カラム (2009)
  • 著者名/発表者名: 新野宏
  • 総ページ数: 229-230, 937
  • 出版者: 株式会社エヌ・ティー・エフ