研究課題/領域番号 |
21340139
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
林 祥介 神戸大学, 理学研究科, 教授 (20180979)
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研究分担者 |
中島 健介 九州大学, 理学研究院, 助教 (10192668)
大淵 済 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球シミュレータセンター, グループリーダー (30359228)
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キーワード | 水惑星 / APE / 大気大循環 / 熱帯気象 / 積雲パラメタリゼーション / 大気潮汐 / 赤道波 / 大気自由振動 |
研究概要 |
1.国際水惑星実験相互比較プロジェクトAPEのデータサーバの整備: APEの全データを収容するとともに、標準的解析データチェックを行い、一部を再作成して信頼性を高めた。 2.APEの結果の補足的解析: 当初計画していた低周波降水変動については明確な結果を得る事が出来なかった。一方、気圧・風の変動の解析から、APEの多くのモデルで大気潮汐、大気自由振動(2日周期、5日周期をはじめとするロスビー波、および、1.3日周期のケルビン波)が明瞭に見いだされた。そのうちケルビン波の特性はモデルの鉛直解像度や上部境界条件に強く依存することがわかった。さらに、熱帯降水活動の大気潮汐による振幅変調が、降水の時空間スペクトルの短周期成分の構造を支配していることがわかった。 3.降水構造決定の理論的枠組みの検証のための補足的数値実験: 当初計画していた海面フラックスフィードバックに関する実験は行う事ができなかった。一方、これまでに行ったモデルの解像度依存性に関する一連の実験の詳細な解析から、降水構造のうち西進慣性重力波的成分とケルビン波的成分の共存を、実空間では大規模東進エンベロープ中の間欠的降水活動の存在として同定することができた。本項目は、上の項目2とともに、水惑星という理想化された設定により明瞭に示されたものであり、本研究の重要な成果である。 4.APEの成果を議論するミニワークショップの開催: 2012年3月初頭にAPE主催者の一人である米国大気科学研究センターのWilliamson博士を招聘してAPE関連研究の成果を議論するとともに、APEの目的の一つである数値モデルの改善の道筋に関して展望した。 5.昨年度からの繰り越しとして行った研究: APEの結果について、熱帯降水活動の構造に関する解析と、赤道上の海水温アノマリーへの応答に関する解析を進め、2編の論文を投稿した。
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