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2011 年度 実績報告書

第四紀後期の東アジアにおける哺乳類の大量絶滅―その要因にせまる

研究課題

研究課題/領域番号 21340145
研究機関愛知教育大学

研究代表者

河村 善也  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00135394)

研究分担者 阿部 祥人  慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90175919)
キーワード第四紀 / 絶滅 / 哺乳類 / 層位・古生物学 / 考古学 / 国際研究者交流 / 中国 / 台湾
研究概要

平成22年度に引き続き,本年度も北は青森県から南は沖縄県におよぶ日本各地の第四紀哺乳類化石産地(遺跡を含む)で,産出化石と化石産出層の調査を行い,更新世から完新世にかけての動物相の変遷についてのデータを収集した.特に沖縄県では精力的に調査を行い,日本本土との比較をとおして,琉球列島の島々のような小さな島嶼での絶滅パターンの特徴を明らかにすべく,データの収集に努めた.これまでの研究成果の一部は,研究発表欄に記載したように,平成23年度に国際誌に2件の論文として公表したほか,旧石器考古学の国内専門誌にも1件の論文として公表している。また,研究成果の一部については,国内での学会や研究集会でも何度も発表を行った,特に沖縄県での研究成果は他分野の研究者の関心も高く,琉球列島に関する研究集会に招待を受けて研究発表を行った.海外での研究活動としては,海外共同研究者の協力を得て,中国の研究機関で標本調査や研究資料収集を行った,台湾でも海外共同研究者の協力のもと,現地での発掘調査と博物館などの研究機関での標本調査や研究資料収集を行った.台湾での研究成果は,台湾ではじめての洞窟での本格的な発掘調査で数多くの新知見が得られたことや,地理的に近い琉球列島の哺乳類化石研究に役立つデータが数多く得られたことなどであり,今後国際シンポジウムや国内の学会で成果の一部を発表する予定である.このような研究活動のほか,第四紀後期の哺乳類の絶滅現象について,一般の人々の理解を深め,研究成果をより多くの人々に普及するため,このような現象が古くから研究され,その成果が多くの本にまとめられている欧米で研究例を翻訳する試みも開始した.東アジアでの絶滅現象の解明にむけて,そのような先例を深く理解しておくことは重要と考えられるからである.次年度には1冊の翻訳を完成させて.その後に出版する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

国内での現地調査や標本の調査,研究資料収集など,これまでの実績報告書に記載したようにほぼ計画どおりに進捗している,海外での現地調査や標本調査や研究資料収集なども,計画どおりに海外共同研究者の協力が得られ,順調に進んでいる。研究成果も,本研究開始後2年目からは学会や研究集会で積極的に公表するようにしているが,論文については投稿後,出版まで長い期間を要する場合があり,かならずしも成果が十分に公表できているわけではないので,その点については今後改善の方策を考えたい,一般市民向けの書籍や翻訳本の刊行については,ほぼ順調に準備が進んでいる.

今後の研究の推進方策

国内・海外での現地調査や標本調査,研究資料収集などは,これまで順調に推移してきたので,これまでどおりに行っていく.そのような研究活動で集まったデータを本年度にはまとめて行きたい.海外での現地調査の中で,中国での調査では,従来の現地研究者による研究には化石産出層の層序や年代,化石の分類に問題点が多いことが明らかになってきたので,海外共同研究者の協力を得て問題点を整理し,それに対する対処法を検討し,今後の中国での研究の進展をはかる方策を検討していきたい.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] A new OIS 2 and OIS 3 terrestrial mammal assemblage on Miyako Isl and (Ryukyus), Japan2012

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa, R., Kawamura, Y., Nunami, S., Yoneda, R., Namiki, M., Shibata, Y.
    • 雑誌名

      British Archaeological Reports, International Series

      巻: 2352 ページ: 55-64

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Terrestrial mammal faunas in the Japanese Islands during OIS3 and OIS22012

    • 著者名/発表者名
      Kawamura. Y., Nakagawa, R.
    • 雑誌名

      British Archaeological Reports, International Series

      巻: 2352 ページ: 33-52

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 更新世の日本への哺乳類の渡来-陸橋・氷橋の形成と渡来,そして絶滅-2011

    • 著者名/発表者名
      河村善也
    • 雑誌名

      旧石器考古学

      巻: 75 ページ: 3-9

    • 査読あり
  • [学会発表] 沖縄県石垣島と宮古島の洞窟から産出した第四紀哺乳類化石についての最近の知見2011

    • 著者名/発表者名
      河村善也・河村愛・中川良平
    • 学会等名
      日本洞窟学会第37回大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2011-11-20
  • [学会発表] 岩手県風穴産の後期更新世ヘラジカ化石とその古生物地理・古環境2011

    • 著者名/発表者名
      河村善也・河村愛
    • 学会等名
      日本洞窟学会第37回大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2011-11-20
  • [学会発表] 石垣島と宮古島の第四紀後期哺乳類化石から何かわかったか-最近の研究成果-2011

    • 著者名/発表者名
      河村善也
    • 学会等名
      東京大学大気海洋研究所共同利用研究集会
    • 発表場所
      東京大学大気海洋研究所(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-04
  • [学会発表] 沖縄県石垣島と宮古島の第四紀後期哺乳動物相の比較2011

    • 著者名/発表者名
      河村善也・河村愛・中川良平
    • 学会等名
      日本第四紀学会2011年会
    • 発表場所
      鳴門教育大学
    • 年月日
      2011-08-27
  • [学会発表] 沖縄県石垣島白保竿根田原洞穴産の日本最古級の人骨群に伴う哺乳類1翼手目2011

    • 著者名/発表者名
      河村愛・河村善也
    • 学会等名
      日本古生物学会2011年年会
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2011-07-02
  • [学会発表] 広島県帝釈大風呂洞窟遺跡の第四紀後期哺乳類化石群集の意義2011

    • 著者名/発表者名
      村田葵・河村善也・河村愛
    • 学会等名
      日本古生物学会2011年年会
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2011-07-02
  • [学会発表] 豊橋市嵩山採石場の第四紀後期哺乳類化石群集-年代と動物群の再検討2011

    • 著者名/発表者名
      松橋義隆・河村善也・松浦秀治
    • 学会等名
      日本古生物学会2011年年会
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2011-07-02

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公開日: 2013-06-26  

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