研究課題
1.新燃岳2011年のサブプリニー式・ブルカノ式噴火で噴出した軽石・本質石質岩片試料の石基結晶について、鉱物相の種類(輝石・斜長石)ごとに結晶サイズ分布(CSD)を測定した。その結果、サブプリニー式噴火軽石の斜長石を除き、幅1.5ミクロン程度でCSDに明確な傾きの変化が見られ、マグマ溜りから火道浅部までの上昇過程を記録しているマイクロライトと、火道浅部での定置深度や滞留時間を記録しているナノライトに区別されることがわかった。2.桜島大正噴火のプリニー式軽石層に含まれる石質岩片を採取して全岩化学組成分析を行った。その結果、初期~中期に噴出した軽石と組成の類似する本質岩片が多く発見された。よって、プリニー式噴火の最中から一部のマグマは火道中でfoam collapseを起こし、ブルカノ式噴火や溶岩噴火へと遷移する準備過程が進行している可能性があることがわかった。3.桜島大正噴火軽石を出発物質として、火道浅部~深部条件(高温,低水蒸気圧~高水蒸気圧)での加熱実験を行い、表面張力を駆動力とする気泡の形状緩和・合体実験、および石基ガラスの結晶化実験を行った。実験には、シリカガラスチューブ法、それを応用したボルトナットセルを用いた。気泡の形状緩和・合体速度とその水蒸気圧依存性を明らかにするとともに、外界に接した気泡(即ち湾入部分)の形状緩和によって、効果的に見かけ密度の減少が起こることが明らかとなった。水蒸気圧が高いほど、石基結晶の晶出と、メルトの粘性増加が抑制されるので、形状緩和と合体が高速に進行することが明らかとなった。試料サイズを大きくすると実効的な表面積が小さくなり、表面張力による等方的な収縮が起こることにより、試料内部に亀裂が形成されることが見いだされた。これにより巨視的な浸透率が増加し、より大きな火道スケール(m~数十m)でのマグマの脱ガスと圧密が進行することが予想される。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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