研究課題/領域番号 |
21340159
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小木曽 哲 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 准教授 (60359172)
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研究分担者 |
平田 岳史 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10251612)
桂 智男 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 教授 (40260666)
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キーワード | 高圧実験 / ピストンシリンダー / フェムト秒レーザー / ICP-MS |
研究概要 |
マントル中に微量に存在する白金族元素は、地球形成初期の内部分化過程を解明する上で重要な元素群である。その白金族元素の化学的な挙動に大きな影響を与えていると考えられてるのが、マントル中に存在するFe,Niを主体とする硫化鉱物である。しかし、マントル中でのFe-Ni硫化鉱物の実態(安定な化学組成、温度圧力条件など)には不明な点が多い。本研究課題では、Fe-Ni硫化鉱物がマントルの温度圧力条件でどのような相平衡関係を持つかを明らかにし、白金族元素の挙動にどのような役割を果たしているかを解明することを目的としている。本年度は、Fe-Ni硫化鉱物の高圧相平衡を決定するために必要な装置(ピストンシリンダ高圧発生装置)を導入し、硫化鉱物の高圧実験をするための基盤整備を行った。ピストンシリンダ高圧発生装置専用の高圧パーツを製作し、それを用いて十分な高圧(1GPa以上)が発生することを確認した。装置の導入が年度末にずれ込んだため、当初予定していた実験条件の確立のための実験は、岡山大学地球物質科学研究センターの同型装置を用いて行った。そして、硫化鉱物のカプセル素材として、BNは不適切であること、シリカガラスを用いる場合は、出発物質が実験中に酸化しないための工夫が必要であることが判明した。 また、実験生成物の白金族元素濃度をICP-MS装置で分析するために、フェムト秒レーザーアブレーションを用いた試料導入装置を硫化鉱物分析に最適化するための予備実験を行った。
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