研究課題/領域番号 |
21340162
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
中沢 弘基 独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ビームセンター, 名誉フェロー (80333780)
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研究分担者 |
関根 利守 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70343829)
掛川 武 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60250669)
小林 敬道 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノスケール物質萌芽ラボ, 主幹研究員 (20260028)
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キーワード | 生命の起源 / 有機分子の起源 / 初期地球 / 隕石海洋爆撃 / アミノ酸 / 衝撃実験 / ペプチド化 / 静的高圧実験 |
研究概要 |
生命起源に関する「有機分子ビッグバン説」(中沢、2006*)を実験的に証明するのが本研究の第一の目的である。そこで(1a)隕石海洋衝突を模擬した衝撃実験と、(1b)衝突蒸発雲を想定したガスー鉱物反応実験を行った。第二の目的は、生成したアミノ酸がタンパク質になる過程は海洋ではなく海底堆積物中で進行した、とする「生命の地下発生説(中沢、2006*)」を証明するために、(2a)グリシン、アラニンなど単独のアミノ酸および(2b)複数アミノ酸混合物を地下の高温高圧に相当する条件で処理する実験を行った。(1a)はNIMSの衝撃圧縮実験装置を用いた衝突再現実験、(1b)は東北大学における衝突蒸発雲内部を模擬するガス・固体反応実験である。それらの生成物は東北大学のLC-MSとGC-MSを用いて分析され、アミノ酸やカルボン酸など既に報告した分子種に加えて、低分子有機分子(メタン、エタン、ベンゼンなど炭化水素、およびメタノールなど)が生成されることが明らかとなり、衝突蒸気雲内部での反応がかなり解明された。 (2a)の実験は、NIMSのベルト型高圧発生装置を用いて行われ、いかなる触媒も用いずにグリシンやアラニンが5量体までペプチド化すると共に、それらのアミノ酸やベプチチドが安定に存在し続けるためには堆積物中にアンモニアが多量に存在する環境が必要であることが判明した。この条件は40~38億年前にはあり得るので、(1a),(1b),(2a)の一連の研究によって、生命の起源に至る化学進化の道筋が相当に明らかとなった。(2b)の実験は東北大学のオートクレープおよびピストンシリンダー高圧発生装置で行われ、2種以上のアミノ酸の混合物では、単純系で生成されなかったペプチドが高温高圧状態で生成されることが明らかとなった。 これらの成果は、論文として投稿中であり、国際学会(AbSciConやGoldschmidt会議など)ではすでに公表された。(*中沢弘基「生命の起源・地球が書いたシナリオ」新日本出版2006)
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