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2012 年度 実績報告書

太陽系外縁部に存在したコンドリュールの形成および輸送過程

研究課題

研究課題/領域番号 21340165
研究機関東北大学

研究代表者

中村 智樹  東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20260721)

研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2014-03-31
キーワード彗星塵
研究概要

コンドリュールは主にケイ酸塩鉱物とガラスから構成され、高温での溶融後、急冷固化してできた直径1mm以下の球状物質である。小惑星帯から飛来する隕石に特徴的な物質で、多くの隕石では体積の60-80%を占める。コンドリュールは太陽系の内側に存在していたため、円盤内側で形成された小惑星には多く含まれている。本研究では、スターダスト探査機が回収した彗星サンプルの分析を計画的、体系的に行い、彗星のコンドリュールの起源と形成について解明することを目的とする。
本年度はこれまでに得られたデータを総合的に解析し成果をまとめた。短周期彗星ビルド2から回収された彗星塵の解析の結果、(1)彗星塵の約10%は結晶質粒子であり、小惑星に含まれるコンドリュールと同一の組織、鉱物組み合わせを示す。(2)彗星コンドリュールはMgOに富むタイプIとFeOを含むタイプIIが存在する。(3)全溶融を経験したBOやRPコンドリュールは発見されていない。(4)コンドリュールを構成するケイ酸塩鉱物の酸素同位体比は幅広い組成を示し、大部分がCap deltaがマイナスの値を示す。また、太陽の酸素同位体比に近い値を示すコンドリュールも存在する。(5)ひとつのタイプIコンドリュールの年代決定をAl-Mg系で測定した結果、26Alの過剰は検出されなかった。このことは、小惑星のコンドリュールよりも遅く形成された可能性を示す。欧米の研究グループの結果も同様で、コンドリュール、CAIともに26Alの過剰は検出されていない。以上のことから、彗星のコンドリュールは、太陽近傍で形成された前駆物質が小惑星のコンドリュールに比べると遅い時期に部分溶融することで形成され、彗星に取り込まれたと考えられる。また、彗星の反射スペクトルで検出される結晶の吸収はコンドリュール起因である可能性が高いことがわかった。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Diverse mineralogical and isotope signatures recorded in CV3 carbonaceous chondrites2012

    • 著者名/発表者名
      Ishida H., Nakamura T., Miura H., and Kakazu Y.
    • 雑誌名

      Polar Science

      巻: 6 ページ: 252-262

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Deep-sea record of impact apparently unrelated to mass extinction in the Late Triassic.2012

    • 著者名/発表者名
      Onoue T., Sato H., Nakamura T. et al
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 109 ページ: 19134-19139

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Heavily metamorphosed clasts from the CV chondrite breccias Mokoia and Yamato-86009.2012

    • 著者名/発表者名
      Jogo K., Nagashima K., Hutcheon I. D., Krot A. N., and Nakamura T.
    • 雑誌名

      Meteoritics and Planetary Science

      巻: 47 ページ: 2251-2268

    • 査読あり
  • [学会発表] New perspective for early solar system evolution derived from recent sample return missions.2012

    • 著者名/発表者名
      T. Nakamrua
    • 学会等名
      Cosmochemistry of primitive bodies-The need for MarcoPolo-R - a European sample return space mission
    • 発表場所
      Paris, France
    • 年月日
      20121217-20121217
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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