研究課題
初年度(平成21年度)は、まず、ハマサンゴ(Porites australiensis)を対象に、琉球大学瀬底実験所の屋外水槽を用いて、3段階光量制御による長期飼育実験が継続された試料の分析を行なった。光量は、遮光スクリーンにより通常の-10%、-30%、-50%に減光されていた。実験には複数の元群体から切断されたクローン小群体が各光区に配置され、長期にわたり飼育された。サンゴ群体の骨格試料について間接指標として酸素同位体比と炭素同位体比を測定し、環境パラメータとの関係を検討した。酸素同位体比は基本的に水温に依存することが確認されたが、成長速度の影響も無視できないことが明らかになった。これらのサンゴ群体について、研究協力者により、パルス変調型(PAM)クロロフィル蛍光測定法による光合成量の経時変化を約1年間継続するとともに、サンゴおよび共生藻について分子生物学的手法による解析も実施した。また、室内の人工照明下での飼育実験も行ない、これらの試料を用いて骨格組成を分析し、骨格化学組成の種内変異および群体間変異を検討した。今後、Sr/Ca比などの骨格組成の分析を進め、成長速度依存性の評価検討を実施する予定である。
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