1. 温度制御低圧グロー放電プラズマに対する偏光分離レーザ誘起緩和蛍光計測 1.77~300K、0.03気圧以下のグロー放電プラズマを用いてネオン、アルゴン励起原子の偏極緩和を観測し、ヘリウムやネオンとの原子衝突による緩和速度係数を決定した。 2. 励起ネオン原子(2p_2準位)のヘリウム原子による緩和速度係数を、Bahrim准教授による理論値と比較し、300Kではほぼ一致するが、より低温では定性的な違いがあることを明らかにした。 2. 大気圧までのヘリウムプラズマに対するピコ秒分解能レーザ誘起緩和蛍光計測 1. 昨年度に開発した620 psパルス幅の波長可変レーザ光を用いて、0.1気圧までのグロー放電、1気圧までのマイクロホローカソード放電(昨年度開発)プラズマのレーザ誘起蛍光の時間変化を観測した。 2. 0.1気圧での両者の比較より、放電形態に関わらず、主として原子衝突による励起移行が支配的であることを明らかにした。 3. 観測した時間変化の解析より、ヘリウム励起原子の励起移行衝突速度および消失速度を推定した。 3. 大気圧までのヘリウムプラズマに対するプラズマ分光 1. 昨年度に開発したヘリウム用複数波長域観測システムを用いで、0.03~1気圧のマイクロホローカソードプラズマの2^3P-3^3D、2^1P-3^1D、2^3P-3^3S発光線の高分解スペクトルを同時計測した。 2. その解析より、電子温度・密度、ガス温度の圧力依存性を推定した。さらに、電子衝突と光学遷移のみを考慮した通常の衝突輻射モデルでは、発光線の強度比が再現できないことを明らかにした。 4. ショ糖結晶破壊に伴う水素原子発光のスペクトル計測 1. 0.003、0.03、0.13、1気圧の水素ガス雰囲気中でショ糖結晶を破壊し、Balmer α、β発光線を高分解計測した。 2. その解析より、0.003、0.03気圧で電子温度、原子密度を推定した。
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