研究課題/領域番号 |
21340173
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
平田 孝道 東京都市大学, 工学部, 准教授 (80260420)
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研究分担者 |
島谷 祐一 東京都市大学, 工学部, 准教授 (20154263)
畠山 力三 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00108474)
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キーワード | 大気圧プラズマ源 / マイクロスポット照射 / 表面改質・活性 / プラズマー液相界面 / 細胞増殖 / 成長因子 / 一酸化窒素(NO) / NO合成酵素(NOS) |
研究概要 |
プラズマ装置から発生する発光の計測を分光器を用いて行った。具体的には、プラズマ照射条件を変えた実験を行った結果、使用ガス種のイオン・ラジカルに相当する発光波長ピークを検出し、細胞表面もしくは近傍にイオン種・ラジカル種が確実に到達していることが判明した。一方、プラズマ照射時間に対する細胞数変化、並びに細胞内成長因子と密接な関係があると近年注目されている細胞内産出性一酸化窒素(NO)の測定を行った。実験は、培養容器上にマウス繊維芽細胞(NIH3T3)を含有した無血清培地を展開し、プラズマ照射処理を施した。更に、プラズマ照射処理を施した培養容器をCO2-インキュベーターに導入し、24時間培養と光学顕微鏡による直接観察を行った。NOの測定は、カテーテル型NOセンサを用いた。まず、ヘマトキシリン-エオシン(HE)染色を行ったNIH3T3細胞の顕微鏡写真観察の結果、Heガスのみの場合には未処理に比べて明らかな減少がみられた。プラズマフローの場合、細胞が順調に増殖することが判明した。また、プラズマ照射時間に対する細胞数変化より、Heガスのみの場合、60sec以上では減少傾向であるのに対して、プラズマフローの場合には約120sec近くまでほぼ一定の細胞数が維持されることが判明した。したがって、プラズマと培地表面の相互作用が細胞内の成長因子増殖に大きな影響を及ぼしていると考えられる。また、プラズマ照射時間に対するNO濃度変化(細胞内産出性NOは、NO合成酵素(NOS)によってアルギニンと酸素とから合成される)の測定を行った結果、照射直後は培地の電位変動に起因した急峻な変化が見られるが、約40secで最大値となり、その後は緩やかに減少する傾向が観測された。この結果は、薬物を使用した他の研究グループが報告している傾向とほぼ同様の変化を示すことが判明した。
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