研究課題/領域番号 |
21350014
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 健一郎 広島大学, 大学院・理学研究科, 名誉教授 (90106162)
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研究分担者 |
関谷 徹司 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30259981)
和田 真一 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60304391)
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キーワード | サイト選択的反応 / 内殻電子励起 / 軟X線光化学 / 光刺激イオン脱離 / 自己組織化単分子膜 / オージェ崩壊過程 / 反応制御 |
研究概要 |
申請者らは、気相孤立分子系では観測が困難であった元素選択的内殻電子励起によるサイト選択的イオン解離反応が表面分子系で顕著に観測されることを見出してきた。さらに、反応場としてアルカン主鎖長が15(n=15)の自己組織化単分子膜を用いることによりその選択性が格段に向上することも見出してきた。本研究では、何故、自己組織化膜において選択性が向上するのかを、選択性とアルカン主鎖長との関連を精密に調べることによりサイト選択的イオン解離反応の反応機構の全貌を解明することを目的としている。今年度は、以下の研究を実施した。 1. 主鎖長が21(n=21)の試料を調整し、その選択的イオン解離反応を調べた結果、選択性が予想通りやや低下することを確認した。 2. 今年度購入した/AFM/STMヘッドによる電気伝導度の測定も行い、n=15の試料に比べてn=21の試料ではその電気伝導度が1桁以上低下していることを確認した。 以上の結果は、申請者が表面分子系で選択性が顕著に観測される理由として提案してきた仮説を支持する重要な知見である。
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