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2009 年度 実績報告書

新世代農薬リード化合物として期待される高次構造テルペノイドの全合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 21350021
研究機関北海道大学

研究代表者

谷野 圭持  北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (40217146)

キーワード有機化学 / 天然物化学 / 全合成 / 農薬
研究概要

ソラノエクレピンAの全合成における問題点は、1)高度に歪んだビシクロ[2.1.1]ヘキサン骨格を含む右側部分の立体選択的構築、2)シクロプロパンカルボン酸側鎖の立体選択的導入、3)エーテル架橋したビシクロ[5.4.0]ウンデカン骨格を含む左側部分の構築、に分けて考えることができる。本年度は、各々の部分構造に対応するモデル化合物を用いて問題解決を目指した。すなわち、シクロペンテンアヌレーション法によりビシクロ[4.3.0]ノナン骨格を構築後、エポキシニトリルに導き、分子内環化反応により4員環を形成して1番目の問題を解決した。これと並行して、カンファーからビシクロ[2.1.1]ヘキサン骨格を有する光学活性なモデル化合物を合成し、キラル補助剤共存下での不斉シクロプロパン化反応を適用して2番目の問題を解決した。
一方、アザジラクチンの全合成における問題点は、1)混み合った環境にあるC8位四級不斉炭素の立体選択的構築、2)高度に酸素官能基化され、不安定なエノールエーテル構造を含むEFG環部の構築、にある。これらの問題についても、部分構造に対応するモデル化合物の合成を通して解決法を検討した。すなわち、C8位炭素上でのアルデヒドとの分子間反応に用いるアリルボランの立体選択的合成を検討した結果、ジエノールトリフラートのヒドロホウ素化が有効であることを見出した。生成物のトリフラート部位は、アリルボラン部を損なうことなくメチル基に置換することが可能である。以上の知見を応用して、アリルボランとアルキナールの分子間付加反応および、ナザロフ環化反応によるE環構築を検討し、ABCE環モデル化合物の立体選択的合成に成功した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Synthetic Studies on Azadirachtin : Stereoselective Construction of the ABCE Ring System2010

    • 著者名/発表者名
      中川大輔、宮下正昭、谷野圭持
    • 雑誌名

      Tetrahedron Letters Vol.51(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] Total Synthesis of Polycyclic Natural Products Having Quaternary Stereogenic Carbon Atoms2009

    • 著者名/発表者名
      谷野圭持
    • 学会等名
      The Fifth Sino-Japanese Symposium on Organic Chemistry for Young Scientists
    • 発表場所
      成都(中国)
    • 年月日
      2009-10-09

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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