研究課題
1. 水中でのプロトン共役電子移動を利用した、ルテニウム(II)-アクア錯体の酸化によるルテニウム(IV)-オキソ錯体の生成と、そのスピン状態が反応性に及ぼす影響について検討した。その結果、Ru(IV)-オキソ錯体の基底状態におけるスピン状態は、反応性に影響を及ぼさないという結論を得た。2. [Ru^<II>(TPA)(H_2O)_2](PF_6)_2を触媒、[Ru(bpy)_3](PF_6)_2を光増感剤、[CO^<III>Cl(NH_3)_5]Cl_2を電子受容体として、ベンジルアルコール誘導体、シクロヘキセン、エチルベンゼン誘導体などを基質とする、水溶液中室温における、光照射下での触媒的酸素化反応を行った。その結果、可視光領域の光では反応は進行しなかったが、Xeランプの波長全域を照射した際には、顕著な触媒作用を見いだした。3. アセトニトリル中での、[Ru^<IV>(O)(H^+TPA)(bpy)]^<2+>による炭化水素の酸素化反応について、生成物及び反応速度を詳細に検討し、水素引き抜き過程が律速段階(KIE=12(クメン)、49(ジヒドロアントラセン))であることを明らかにした。また、ESI-MS測定により、酸素リバウンド機構における中間体と考えられるアルコキソ錯体の検出に初めて成功した。4. 非配位ピリジン-N-オキシドを有する[Ru^<II>(TPA-O)(bpy)(CH_3CN)]^<2+>を可視光照射すると、分子間反応により[Ru^<IV>(O)(TPA)(bpy)]^<2+>を生成し、基質を酸化して[Ru^<II>(TPA)(bpy)-(CH_3CN)]^<2+>となることを見いだした。
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