研究課題/領域番号 |
21350041
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
梅村 知也 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (10312901)
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研究分担者 |
稲垣 和三 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (50356490)
朱 彦北 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (90422790)
伴 真俊 独立行政法人水産総合研究センター, さけますセンター, 研究員 (80425462)
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キーワード | メタロミクス / オミックス / 1細胞分析 / 受精卵 / 必須微量元素 / 金属タンパク質 / 高速分離 / モノリス |
研究概要 |
微量元素がタンパク質などの生体分子とどのように協調して生命システムを維持しているのかをゲノムスケール、細胞レベルで探索することを目的として、本年度は数mgの固体試料をサンプルロスとコンタミネーションを極力抑えて完全に溶液化する技術の開発、μL以下の希少/微少量の試料でppt以下の超微量元素を網羅的に定量するためのマイクロネブライザおよびマイクロインジェクション試料導入システムの構築、さらに、タンパク質を精密に分離するためのモノリスカラム技術の改良を図った。また、大腸菌の培養、サケ受精卵の飼育条件の最適化を図った。主な成果を以下にまとめる。 1.微少量試料対応マイクロネブライザ/マイクロインジェクション試料導入システムの開発 市販の同軸型ネブライザーにキヤピラリー管を挿入して着脱式のマイクロネブライザを試作した。噴霧口径の微小化とマイクロポンプによる定流量送液を試みた結果、微細液滴を効率よく生成させることに成功し、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)に関して、従来比1/100から1/1000の試料消費量で従前と変わらぬ感度、精度を達成した。また、試料導入速度が1/100になったことから、装置に及ぼす負荷が軽減され、有機溶媒100%、1mol/Lレベルの高濃度塩溶液をICP-MSに直接導入しても安定にプラズマを点灯させることが可能となった。 2.内径1mmのモノリスカラムの試作とマイクロボアHPLC/ICP-MSシステムの構築 前述のマイクロインジェクション試料導入システムの性能を最大限に引き出せる分離システムの開発を目指し、モノリスカラム技術を活用して内径1mmのマイクロボアカラムを試作した。特に本年度は陰イオン交換モノリスカラムの高性能化に取り組み、タンパク質やDNAの分離に関して市販のカラムと同等の分離を短時間で行うことに成功した。また、ICP-MSによるリンの選択的検出によりリン酸化タンパク質やDNAを高感度に定量する方法を確立した。
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