研究概要 |
1.グルタミン酸センサーの海馬神経可塑性研究への応用マウス海馬スライスCA1領域を電気刺激した際の興奮性シナプス後電位(fEPSPs)と微小センサーによるグルタミン酸電流の同時計測に成功した。長期増強現象(LTP)を引き起こす前後でのグルタミン酸濃度を評価した結果、LTP前では2Hz刺激時のグルタミン酸濃度は約1.8μMであり、基本刺激の0.052Hzでは32nMであることを明らかにした。また、神経領野CA3を塩化テトラエチルアンモニウム(TEA)刺激することによって放出される細胞外L・グルタミン酸濃度の計測に成功した。これによって、海馬の主要神経領野のグルタミン酸濃度分布を明らかにした。 2.人工脂質二分子膜を用いるナノセンシング界面の構築無機チャネル(MCM-41)を用いて,様々な生膜体レセプターを化学修飾でき,かつ高感度な分子センシング界面をデザインすることを目的に、牛血清アルブミンを脂質二分子膜界面のその場でMCM-41に化学修飾することを可能にした(投稿準備中)。 3.マルチ成分センシング用酵素アレイの開発アレイ型リポソームセンシング法を再利用することを目指し、ジスルフィド結合を介して蛍光リボソームをガラス基板に修飾することができた。これを用いて成長ホルモン放出ホルモン(Growth hormone releasing hormone;GHRH)や成長ホルモンの放出を抑制するホルモン(somatostatin;ソマトスタチン)を対象に極微小量(数μL)の試料を用いて二種類のホルモンを同時に計測することに成功した。
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