研究課題
1. 酸化チタンナノチューブの熱処理温度による結晶構造の制御と触媒活性との相関性の評価二酸化チタンナノチューブはチタン酸系の非常に結晶性の低い構造であり、明確な結晶構造を有していない。しかし、高い光触媒活性を発現する酸化チタンの結晶構造は、アナタース、ルチル、ブルッカイト結晶構造を有し、なかでもアナタース型の酸化チタンは有害物質の分解に高い活性を発現することが報告されている。一方、酢酸、安息香酸などの酸化されにくい有害化学物質に対しては、ルチル型結晶構造を有するものがアナタース型結晶構造のものより、高い活性を示すことも明らかになっている。このように、ターゲットとする物質によって酸化チタンは最適な結晶構造が異なっている。そこで、二酸化チタンナノチューブの結晶構造を熱処理により制御する手法の開発を行う。一般の球状酸化チタンナノ粒子は、低温処琿(~600度)によりアナタース型が、高温処理(700度~)でルチル型が生成することが報告されている。しかし、酸化チタンナノチューブは、高温の熱処理により、その構造が変化することが考えられるために、ルチル型結晶構造を調製する手法の開発に関して困難が予想される。しかし、研究代表者は、二酸化チタンナノチューブは白金などの微粒子を担持すことにより、その熱安定性が向上するという予備的知見を最近得ており、これらの知見を元に、処理法の開発を進めた。その結果、トルエンの酸化反応についてはルチル型酸化チタンナノチューブが、アセトアルデヒドの酸化については、アナタース型酸化チタンナノチューブの方がより高い活性を発現することを見出した。2?. 酸化チタンナノチューブへの助触媒ナノ粒子の位置選択的担持法の開発結晶化した酸化チタン微粒子を原料に用いて調製した酸化チタンナノチューブへ助触媒の一つの例として白金ナノ粒子の位置選択的担持法の開発に成功した.
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