研究課題
1.形状制御されたルチル型酸化チタンナノロッドの開発酸化チタン前駆体と構造制御剤を用いて水熱合成法により形状制御されたルチル型酸化チタンナノロッドの合成に成功した。得られたルチル型酸化チタンナノロッドは、非常に発達した2種類の結晶面が露出しており、それぞれ(111)(110)面と同定された。ルチル型酸化チタンナノロッドの触媒性能を紫外光照射下で気相中のアセトアルデヒドおよびトルエンの光触媒酸化分解反応で評価したところ、現在市販されている環境浄化用の光触媒で最も高い性能のものと比較して3倍以上の触媒活性を発現することが明らかになった。さらに、高い触媒性能発現の要因について明らかにするために、露出したそれぞれの結晶面反応性について白金イオンの還元反応および鉛イオンの酸化反応により評価した。その結果、(111)面上では酸化反応が、(110)面上では還元反応が優先的に進行しており、粒子上で反応場が分離された結果電荷分離効率の飛躍的向上により高い触媒性能が達成されたと結論づけた。2.鉄イオンを結晶面選択的に担持したか可視光応答性を有するルチル型酸化チタンナノロッドの開発研究代表者は、鉄イオンを市販の球状ルチル型酸化チタンナノ粒子に担持することで可視光応答性を発現することを以前報告している。これらの技術を応用して、今回開発した形状制御されたルチル型酸化チタンナノロッドの露出結晶面のうち酸化面のみに鉄イオンを担持する画期的な方法を開発した。結晶面選択的に鉄イオンを担持したルチル型酸化チタンナノロッドの可視光下での気相中のアセトアルデヒドおよびトルエンの光触媒酸化分解反応の触媒性能は、市販品中最も性能が高い窒素ドープ酸化チタンと比較して4-5倍の性能を発現することを見いだした。
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