研究概要 |
今年度の研究成果は以下の通りである。 まずTK2291遺伝子を破壊し、そのregulonを確定した。本regulonにはprefoldin, AAA ATPase, small heat shock proteinなど熱ショック応答に関与する遺伝子が多数含まれていた。破壊株と宿主株の転写量比の上位8遺伝子に対して破壊株を作製し、それらの熱ショックに対する感受性を検討した。その結果、6種の破壊株(TK1121, TK1590, TK1157, TK1097, TKO750, TK1591)が熱ショック条件下で宿主株と比較して顕著な増殖遅延を示し、これらの遺伝子が熱ショック応答に寄与することが示された。これらの生化学的機能解析を進めたところ、TK1590はsingle strand DNAと相互作用を示すATPaseであることが分かった。またTK1591は転写制御因子をコードし、それが制御するregulonも確定した。DtxR homologであるTK0107を破壊したところ、鉄トランスポーターであるFeoAB system (TK0714-TK0716)および重金属カチオントランスポーターをコードすると推定されているTK0652の転写量が宿主株と比較して大幅に上昇したことからTK0107は金属の輸送を制御する転写因子であることが示唆された。さらにLrp/AsnC familyのTK0168, MarR familyのTK0169を破壊し、そのtranscriptome解析を進めている。
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