研究概要 |
本研究では、連続広帯域スペクトルを有する白色LEDを開発することにより、「波長ばらつきの問題」と「演色性の問題」を同時に解決し、照明に適したLEDの実現を目指す。この目的を実現するために、(1)無極性、半極性面ファセット形態制御のための成長条件、成長機構を明らかにする。(2)それに基づき、ストライプ型及びドット型の無極性、半極性面ファセット変調構造を作製する。(3)InGaN及び混晶の各ファセット上でのIn取り込み過程について詳細な検討を行う。(4)さらに以上の結果を踏まえ、広帯域・連続スペクトル白色LEDを作製し、連続発光スペクトルを確認する。今年度は、平成22年度に引き続き、(2)においてファセット変調型構造の作製を行いながら、非極性面基板上への結晶成長機構と選択成長におけるファセット形態の解明,転位や歪みの低減を目指し、m面GaN自立基板上にGaN選択成長を行い、その成長形態や発光特性などを調べた。 <11-20>方向及び<0001>方向のSiO_2マスクにおいて,500Torr,1090℃で30分成長を行ったところ、成長温度を970~1090℃と変化させても、現れるファセット形態には大きな変化がないことがわかった。また、<0001>方向のSiO_2マスクにおいて,500Torr,1090℃で,120分成長を行ったところ,<0001>方向に沿って{1-100}ファセットのみで構成される正六角柱構造が形成された。また、240分成長を行った試料では、SiO_2マスク上にボイドを形成し,m面の平坦な膜が得られることが明らかとなった。
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