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2009 年度 実績報告書

ナノサイズ超伝導体中の量子渦糸と近接効果の実空間観察

研究課題

研究課題/領域番号 21360018
研究機関東京大学

研究代表者

長谷川 幸雄  東京大学, 物性研究所, 准教授 (80252493)

キーワード走査トンネル顕微鏡 / 超伝導 / 渦糸 / 近接効果
研究概要

本研究では、メゾスコピック超伝導体においてその存在が予測されている巨大渦糸状態や反渦糸状態を走査トンネル顕微鏡により実空間で観察し、それらの存在を実証することを目的としている。目的の実現のためには、サイズがコヒーレンス長の数倍以上のアイランド構造を作製する必要があり、Pb薄膜の場合には数十nmから1μmまでのサイズを持つ超伝導物質のアイランド(ディスク)構造を作成する必要がある。また量子反渦糸の観察では、四角形のアイランド構造を作成する必要がある。このため、今年度はマスク蒸着により所望の形状・サイズを持つアイランド構造を作成できるよう新たな超高真空システムを設計・作製し立ち上げた。これによりこれまでより大きなPbアイランド構造が作製でき、かつその制御ができることを確認するなど、ほぼ予定通り動作することを検証している
また、STMユニット内で試料位置をミリメートルスケールで試料面内(XY)方向に移動させることのできる微動機構を組み込むことによって、所望の超伝導アイランド構造を試料上に見つけ出してSTM観察が行えるようにすべく、積層ピエゾ素子からなる慣性駆動タイプの移動機構を作成し、現有装置に取り付け、その動作確認を行った。
さらに近接効果を実空間的に観測すべく、超伝導Pb薄膜を部分的に覆うように金属Au薄膜を作成するなどを試み、測定に適した構造を作製すべくその作製条件を検討している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Ultrathin films : The thinnest superconductor2010

    • 著者名/発表者名
      Yukio Hasegawa
    • 雑誌名

      Nature Physics 6

      ページ: 80-81

  • [雑誌論文] Observation of the screened potential and the Friedel oscill ation by LT-STM/S2009

    • 著者名/発表者名
      Masanori Ono
    • 雑誌名

      Applied Surface Science 256

      ページ: 469-474

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Direct evidence of the contribution of surface states to the Kondo resonance2009

    • 著者名/発表者名
      Q.Li
    • 雑誌名

      Phys.Rev. B 80

      ページ: 115431 1-5

    • 査読あり
  • [学会発表] Imaging by scanning tunneling spectroscopy : observation of vortices in nano-size superconductors and the screened potential2010

    • 著者名/発表者名
      長谷川幸雄
    • 学会等名
      日本物理学会第65回年次大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-03-20

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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