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2010 年度 実績報告書

核共鳴X線散乱によるサブサーフェス領域での水素誘起原子拡散過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21360019
研究機関東京大学

研究代表者

岡野 達雄  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60011219)

キーワード原子拡散 / 鉄 / 核共鳴X線散乱 / 量子ビート / 放射光 / 時間スペクトル / 高圧 / 水素
研究概要

外界との物質交換の場としての表面・界面の役割に深く関連していると考えられるサブサーフェイス領域での原子拡散過程に与える吸蔵水素の影響を、放射光を用いた核共鳴前方散乱の時間スペクトル解析により解明することが本研究の目的である.本年度は、前年度に引き続いて、高圧セルを用いた核共鳴X線前方散乱の時間スペクトルの測定をKEKのAR-NE1ビームラインにおいてとSPring-8のBL09ビームラインにおいて実施した.試料は、同位体富化した57Fe箔(厚さ4ミクロン)である.この試料をNaClカプセルに封入したものをボロンエポキシ製圧力媒体により加圧している.加熱は、ボロンエポキシ圧力媒体内のNaClカプセルを包むようにグラファイト製ヒーターを配し、通電加熱により温度を設定した.水素の供給には、加熱によって不可逆的に水素を放出する固体水素源:アンモニアボラン(NH3BH3)を使用した.水素圧2.8GPaの下で行った時間スペクトルの測定では、720℃では原子拡散モデルにより予測されるコヒーレンス消失効果が実験誤差の範囲でほとんど検出されないという予想外の結果を得た.他方、時間スペクトルに存在する量子ビート成分より求めた57Feの内部磁場の温度依存性より、純鉄のキュリー温度1043Kに比較すると、水素の固溶により強磁性消失温度が960Kに低下していることが明らかになった.この原因は、水素固溶によるα-γ相転移点の低下によるものと考えられる.また、高温δ相での原子拡散を測定するため、真空雰囲気において、57Fe箔を試料として、高温領域での時間スペクトルの測定を試みた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 核共鳴X線散乱時間スペクトルによる水素誘起原子拡散の研究III2011

    • 著者名/発表者名
      笠井秀隆,河内泰三,深井有,張小威,岸本俊二,亀卦川卓美,依田芳卓,大谷栄治,岡野達雄
    • 学会等名
      日本物理学会2010年秋季大会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2011-09-23
  • [学会発表] Hydrogen-Induced Enhancement of Atomic Diffusion studied by Time-Domain analysis of Nuclear Resonant Forward Scattering of X-rays2010

    • 著者名/発表者名
      H.Kasai, T.Kawauchi, Y.Fukai, X.W.Zhang, S.Kishimoto, T.Kikegawa.Y.Yoda. E.Ohtani, T.
    • 学会等名
      6th International Conference on Diffusion in Solids and Liquids (DSL2010)
    • 発表場所
      Paris, France
    • 年月日
      2010-07-05

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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