研究課題/領域番号 |
21360039
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
美濃島 薫 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 室長 (20358112)
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研究分担者 |
稲場 肇 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (70356492)
安井 武史 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70314408)
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キーワード | 光コム / 超短パルスレーザー / ファイバレーザー / 距離計測 / 干渉計測 / 光シンセサイザ |
研究概要 |
本研究では、安定で高品位なファイバレーザーによる光コム(櫛型の光周波数モード列)を用いた、マイクロ波から光周波数までのダイナミックレンジの広い絶対周波数基準を構築し、周波数軸と時間軸の位相やタイミングを自在に操作することによって、任意の距離を高精度に絶対測定する技術原理を実証することを目的としている。 上記の研究目的達成のために、本年度は以下の研究項目を実施した。 まず、昨年度に開発した高繰り返し、高強度のエルビウム添加モード同期ファイバレーザーにおいて、高非線形ファイバ、及びフォトニック結晶ファイバを用いて1オクターブ以上にスペクトル拡大された光コムを発生させた。また、高非線形ファイバにより発生させた1-2μm帯の広帯域コムを利用し、1f-2f干渉計を構築してキャリア・エンベロープ・オフセット周波数信号の検出・位相同期を行った。f_<rep>の位相同期、周波数標準の基準信号への適用により、絶対値が付与された光コムを実現した。 次に、ファイバレーザーによるコムのコム間隔(繰り返し周波数)を安定に制御しながら、両者の間に周波数差を与える非同期制御システムの開発を行った。基本特性の評価を行い、2台のファイバコム間のタイミングジッターが、300fs以下であることを確認した。本システムの応用例として、テラヘルツ・コムのスペクトル計測に適用し、詳細なスペクトルを取得することに成功した。 最後に、開発したモード同期ファイバレーザーによる光コムを用いて、モードどうしのコヒーレンスを生かした干渉位相信号を利用した距離信号の検出手段を開発した。干渉(ビート)位相信号検出の高精度化のために、コム間隔周波数を制御して、高周波ビート信号を低周波数にビートダウンして検出する手法を開発した。実際に、測定光路長を変化させて、本手法による位相検出の原理確認を行い、距離信号が取得できることを確認した。
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