研究課題/領域番号 |
21360041
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯田 敏行 大阪大学, 工学研究科, 教授 (60115988)
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研究分担者 |
加藤 裕史 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40224547)
佐藤 文信 大阪大学, 工学研究科, 助教 (40332746)
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キーワード | 培養細胞パターニング / X線マイクロビーム / 放射線照射効果 |
研究概要 |
本研究課題"X線マイクロビームを用いた神経細胞回路作成技術の開発"では、X線マイクロビーム照射技術と半導体プロセス技術を細胞工学に導入して、人工配列された神経回路(神経細胞チップ)作成技術を開発する。神経細胞チップ上の細胞は人工的に配置され、神経回路の基礎研究や細胞融合型電子デバイス研究等の目的に応じて、デザインされる。 平成21年度において技術開発した神経細胞チップの主な製作過程は以下の(1)(2)(3)である。(1) 培養シャーレ底のガラス基板上に、培養細胞固定用有機膜層をSU-8光硬化樹脂を用いてフォトリソグラフィで製作する。SU-8層は単一細胞が格子状に配列されるようにパターン形成されている。(2) 洗浄・滅菌処理を施し、PC12細胞を播種し24時間CO_2インキュベータで培養後、細胞配置パターンの形成を確認した。細胞配置パターンは細胞接着性がガラス基板とSU-8に対して異なることを利用している。さらに、PC12細胞の神経突起の成長は神経成長因子NGFの投与によって行った。細胞配置パターンの隣あった細胞間での信号伝達をCa^<2+>観察で確認した。(3) NGF投与を行わずにX線マイクロビーム照射によって個々の神経突起の成長を誘導することが可能であることを確認した。ただし、X線照射誘導による神経突起成長の効率は照射線量15Gyにおいて12%程度で、NGF投与に比べて低く、神経突起の成長は遅いこと、細胞の形態に異常があるものが多いことが確認された。また、神経細胞チップ上に不必要な細胞は、高線量のX線マイクロビームで死滅させた。
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