研究概要 |
本研究では、GPU(Graphics Processing Unit)を用いた大規模高速計算のための粒子法の研究(MPS(Moving Particle Simulation)法および離散要素法)を行った。具体的には、以下の4項目の研究を実施した。 (1)GPUによるDEMシミュレーションの研究 平成21年度に整備した複数のGPUを備えた計算機を用いて、離散要素法(DEM,Discrete Element Method)による粉体流動のシミュレーションの高速化の研究をおこない、CPUを用いた計算との比較をおこなった。 (2)流体解析や固体解析の粒子法(MPS法)に対するGPUによる計算手法の研究 陽的なアルゴリズムが高速であり、大規模計算に適していることから、流体解析において擬圧縮性を導入した陽解法の研究を実施した。数値安定性の研究から、マッハ数を0.2とすれば、陽解法でも半陰解法と同じ時間刻み幅を使用することができ、きわめて高速な流体解析が可能であることがわかった。 (3)実数の倍精度計算の研究 最新のGPUでは倍精度実数演算を実施するための演算器が備わっており、単精度の演算器を組み合わせるなどして倍精度計算を工夫する必要が無くなった。 (4)複数のGPUを用いた並列計算の研究 陽解法では連立一次方程式を解く必要が無いので、GPUにおける並列化は比較的容易である。今のところ、CPUを用いた並列計算まで実施した。
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