研究課題
1.開発材料の実用化へのブラッシュアップ開発材料である圧電ファイバ/アルミニウム複合材料(Piezo-A1と略称)に作用している高い圧縮熱残留応力が、圧電特性に及ぼす影響を明らかにするため、熱処理によりそれを緩和し、各圧縮熱残留応力下での残留分極を評価した。その結果、圧電体の残留分極に圧縮熱残留応力の緩和は影響せず安定していることがわかった。2.各種応用の検討1)Piezo一A1の発電機能を振動試験により評価した。その結果、出力電力は振動振幅の2乗および振動周波数に比例する特性、および最高平均電力0.64μWが得られた。また、本試験によるひずみは0.012%と低い領域であり、圧電ファイバが破断する0.2%までのひずみを印加できれば0.2mWの電力が得られることになる。これは出力体積比で2.9W/Lとなり、現状では体積率がわずか1.4%であるため、一般的なPZTの35.4W/Lを下回るが、体積率が17%以上の複合化に成功すれば、一般的なPZT以上の発電特性が得られると予想される。2)前年度に開発したPiezo-A1粘度センサについて、その温度特性評価を行った結果、被測定流体の温度が高くなると共振周波数が低下する特性が得られ、この温度依存性を補償するための温度測定用ファイバを埋め込んだ。3.圧電機械材料システムの創製アリゾナ州立大学(現在はフロリダ大学)のProf.H.Sodanoらが開発したSiCコアBTO(チタン酸バリウム)ファイバの埋め込みにも成功し、新たな圧電機械材料ジステム創製の目途がついた。4.低コストデバイス創製低コストデバイスの創製を目的として、真空中で行っていた複合化を大気中で試み、成功した。その結果、コストをひずみゲージと同程度まで低減させる目途がついた。
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Smart Structures and Materials & Nondestructive Evaluation and Health Monitoring 2012
巻: SPIE Vol.8341(In press) ページ: 9