放電による熱的作用によって工具電極形状を転写し、所望の工作物形状を得る形彫り放電加工において、工具電極の消耗を考慮して加工前の工具電極形状を得るための逆方向シミュレーション法を開発した。この方法では、所望の工作物形状を初期値として、工作物を工具電極とみなして工具電極を加工する。その際、従来の順方向シミュレーションのために筆者らが開発した放電点探索アルゴリズムを使用するが、放電一回当たりの工具電極と工作物の除去量を、実際の加工で得られるデータベースとは逆にする。また、曲率の影響を補正するため、工具電極の単位面積当たりの工作物の対向面積の比率を求め、工具電極の場合は除去量を除し、工作物の場合は除去量に乗じることによって、正確な逆方向シミュレーションが行えることが分かった。
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