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2011 年度 実績報告書

摩耗低減剤としてのRBセラミックス粒子活用による先進複合材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21360068
研究機関東北大学

研究代表者

堀切川 一男  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60173605)

研究分担者 山口 健  東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50332515)
キーワードRBセラミックス / 複合材料 / 摩擦 / 摩耗 / 粒子 / 充填剤
研究概要

本研究の目的は,米ぬかを原料とする硬質多孔性炭素材料RBセラミックス粒子を樹脂材料及び金属材料に充填することにより,新しい低摩擦・耐摩耗複合材料を開発し,摺動材料として応用することである.平成23年度では,鉄道集電用パンタグラフすり板の材料として従来用いられている銅とピッチコークス等を原料とするカーボンの複合材料(Cu/C複合材料)にRBセラミックス粒子を配合した複合材料(Cu/C/RBC複合材料)の通電条件下における摩擦試験を行い,Cu/C/RBC複合材料の鉄道集電用パンタグラフすり板への応用可能性を検討した.実験は,集電材摩耗試験装置を用いて,模擬架線である無酸素銅を相手として,アーク放電を伴う通電条件下及びアーク放電の伴わない通電条件下の2条件下で摩擦試験を行った.幅広い通電電流(100~400A),すべり速度(6.9~27.8m/s)及び垂直荷重(49N)において実験を行った.アーク放電を伴う通電条件下において,Cu/C/RBC複合材料は,Cu/C複合材料と同等の耐摩耗性を示し,RBセラミックス粒子を配合することによる耐摩耗性の低下が見られないことが判った.一方,アーク放電を伴わない通電条件下において,Cu/C/RBC複合材料は,Cu/C複合材料に比べ,摩擦係数を77.4%,自身の摩耗を98.0%,相手材料の摩耗を22.6%低減できることが判った.このことから,同複合材料は,摩擦仕事によるエネルギーロスを低減し,相手架線の摩耗を低減した上で長寿命を実現できるすり板材料として適用が期待できることが見出された.また,摩耗面のSEM観察により,Cu/C/RBC複合材料の耐摩耗性発現メカニズムを明らかにするとともに,ヘルツ最大接触圧力,最大高さ粗さ,破壊靱性値及び摩擦係数を用いた同材料の比摩耗量の予測式の導出に成功した.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 東日本大震災被災地域のものづくり産業の復興を目指して-短期間に多数の成功事例を生み出す新しい地域産学官連携スタイル「仙台堀切川モデル」の概要-2012

    • 著者名/発表者名
      堀切川一男
    • 雑誌名

      静岡アジア・太平洋学術フォーラム報告書(論文集)

      ページ: 122-149

  • [雑誌論文] RBセラミックス粉体を用いた複合材料の開発と応用2011

    • 著者名/発表者名
      山口健
    • 雑誌名

      日本機械学会誌

      巻: 8 ページ: 472

  • [学会発表] RBセラミックス及びその複合材料の開発と応用2011

    • 著者名/発表者名
      山口健
    • 学会等名
      第52回高分子材料のトライボロジー研究会
    • 発表場所
      東京(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-15
  • [学会発表] Friction and wear properties of PEEK composites filled with RB ceramics particles2011

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Yamaguchi, Sohei Nishio, Wataru Haryu, Kazuo Hokkirigawa
    • 学会等名
      International Tribology Conference Hiroshima 2011
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2011-11-02
  • [学会発表] Analysis of microscopic wear mechanism of copper/carbon/rice bran ceramics composites2011

    • 著者名/発表者名
      Kei Shibata, Takeshi Yamaguchi, Tatsuhiro Urabe, Ryota Ifuku, Kazuo Hokkirigawa
    • 学会等名
      International Tribology Conference Hiroshima 2011
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2011-10-31
  • [学会発表] RBセラミックス粒子を充填したポリエーテルエーテルケトン樹脂の摩擦・摩耗特性2011

    • 著者名/発表者名
      山口健, 針生渉, 堀切川一男
    • 学会等名
      日本機械学会東北支部第47期秋季講演会
    • 発表場所
      米沢
    • 年月日
      2011-09-22
  • [学会発表] EBセラミックス粒子充填による熱可塑性樹脂の耐摩耗性発現メカニズムに関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      柴田圭, 浦部達広, 山口健, 堀切川一男
    • 学会等名
      日本機械学会東北支部第47期秋季講演会
    • 発表場所
      米沢
    • 年月日
      2011-09-22
  • [学会発表] 微視的摩耗機構の解析に基づく銅/カーボン/RBセラミックス複合材料の摩耗予測式の提案2011

    • 著者名/発表者名
      柴田圭, 山口健, 浦部達広, 伊福遼太, 堀切川一男
    • 学会等名
      日本トライボロジー学会トライボロジー会議2011春東京
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-05-25

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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