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2010 年度 実績報告書

高硬度希土類酸化物膜の新しい創製法と希土類産業の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 21360075
研究機関神戸大学

研究代表者

大前 伸夫  神戸大学, 大学院・工学研究科, 名誉教授 (60029345)

キーワードレアアースメタル / 原子状酸素 / アークプラズマ / 超高真空 / 酸化物薄膜 / トライボロジー
研究概要

本研究では、地殻存在度が比較的豊富な6類の希土類元素[スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)]の酸化物薄膜を創製し、それらの組成をX線光電子分光(XPS)で解析、機械的特性をナノインデンテーションやトライボメータを用いて評価し、実用化を目指して希土類産業の高進を図るものである。アルゴンイオンスパッタリングを併用して、各希土類酸化物のデプスプロファイル解析を行った結果、表面から基板近傍まで完全なストイキオメトリを有する組成であることが判った。この最大の原因は、現存する酸化種として最も強力な原子状酸素を用いたことと、成膜工程をすべて超高真空で行うことによる汚染の排除とに起因する。また、すべての薄膜は原子的に平滑な表面を有し、中心線平均粗さは1nm以下であった。基板温度300℃で作製した希土類酸化物薄膜の摩擦係数はCeO_2で一番高く0.25、Sc_2O_3で一番低く0.09であったがほぼ0.13内外の値が得られた。Ceにおいてはその高硬度のためアブレシブ効果が表れたためと解釈できる。Scにおいて得られた低摩擦係数は将来の実用化に向けて十分な値であると評価される。さらに、すべての酸化物薄膜は鮮明な酸化発色を示し、この色調はアークプラズマおよび原子状酸素の照射量を制御することにより変化させることができるので、カラーコーティングとして実用化が期待される。希少であるような印象を持たせる希土類であるが、たった1gのScで膜厚50nmmの薄膜を畳4畳以上コーティングできることが判り、このことからも実用化の可能性が十分に期待できる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 希土類酸化物薄膜の新規な創製法の確立とそのトライボロジー特性(第1報)-アークプラズマと原子状酸素ビームを用いた新しい希土類酸化物薄膜野創製-2011

    • 著者名/発表者名
      原田将伍
    • 雑誌名

      トライボロジスト

      巻: 56巻(4月掲載決定)

    • 査読あり
  • [学会発表] Recent Advances in Nanocarbons and Tribology2011

    • 著者名/発表者名
      大前神夫
    • 学会等名
      日本機械学会,Advanced Technology in Experimen-tal Mechanics
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-19
  • [学会発表] 希土類酸化物薄膜の創製とそのトライボロジー2010

    • 著者名/発表者名
      水本博貴
    • 学会等名
      日本トライボロジー学会
    • 発表場所
      国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都)
    • 年月日
      2010-05-17

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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