研究概要 |
大規模並列計算機(FUJITSU, FX1)に合わせて3次元FFTの高速化を行った。ベクトル並列計算機用に開発した3DFFTを書きなおしノード内並列化等を改善した結果、約4倍の高速化が図れた。3次元領域をスラブ状に領域分割を行っているが、今後これを2次元的な分割に変えて、通信の効率化を図る。 乱流における空間次元の影響を調べるために5次元空間内における乱流プログラムを作成した。エネルギー減衰の速さ、エネルギースペクトルの相似則、ストレインテンソルの固有値の確率密度関数を解析した。そエネルギー減衰は次元とともに速くなり、コルモゴロフ定数は低くなると推測でき、理論予想と一致したこと、そして最も負の固有値の確率密度関数は次元によらずほぼ一定であることが見出された。これらの結果は、北京での国際会議で発表され多くの研究者から反響を得た。 一様なスカラー勾配のもとでのスカラー揺らぎの統計法則を高いレイノルズ数と高解像度の直接数値計算で解析した。熱輸送流速のレイノルズ数依存性、その揺らぎの確率密度関数の振る舞いなどについて、理論的予測を行い数値的に検証し、よく一致する結果を得た。これらの成果はイタリアでの国際会議で報告された。 Rubinstein博士(NASA Langley Research center),Schumacher教授(Ilmenau大学)、Biferale教授(Rome大学)らを招聘し、セミナー開催と研究内容についての議論と意見交換を行った。
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