研究課題
本年度では、波長1.8μm以下の熱ふく射を直接電気に変換するガリウム・アンチモン(GaSb)半導体光起電力電池について、p-n接合電池およびn型と薄膜Ni金属接合によるショットキー電池を製作し、半球等強度入射黒体光源を用いた発電特性を明らかにするとともに、熱ふく射放射体表面近傍に生ずるエバネッセント波効果、さらにその表面に施されたマイクロキャビティによる波長制御効果を明らかにすることを目的としている。その結果、黒体温度を850℃として、p-n接合GaSb電池の短絡電流と開放電圧をp型層の厚みを変化させて測定したところ、開放電圧に大きな変化は無いが、短絡電流はp層の厚みが薄くなるにつれ、フォトンにより自由電子が形成される欠乏層までの厚みが薄くなるものの、薄くなりすぎるとその自由電子の電気抵抗が増大するため、ここでは124nmの場合に最も高い値を示した。また、黒体放射分率から、1.8μm以下の波長範囲に含まれる入射ふく射エネルギー量が容易に算出でき、その入射エネルギーに対する発電効率は4%であることが示された。この電池表面の反射率は、この波長1.8□m以下においておよそ0.5と測定されており、窒化珪素など、反射防止膜を施すことによりおよそ2倍の発電量が得られることとなる。一方、GaSb-Niショットキー電池においては、厚み5nmのNi薄膜をショットキーバイリアとして利用すると同時に電極の役割も果たしており、その電気抵抗が大きいために、伝ぱ光成分の領域において発電効率は0.4%程度であった。さらに近づけるピエゾアクチュエーターも準備できエバネッセント効果の実験が整った。さらに、ウェットエッチング法により、向い合う、ふく射放射体表面および電池表面にマイクロキャビティを施す準備が整った。
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熱物性
巻: Vol.25 ページ: 15-20
RAD-10, Proceedings of the 6th International Symposium on RADIATIVE TRANSFER, INTERNAT IONAL CENTRE FOR HEAT AND MASS TRANSFER
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Heat Transfer-Asian Research
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