研究概要 |
本研究者らは,国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」において,引き続き実験を実施し,並行して,地上実験や線形安定性解析を進めた. 1.「きぼう」実験の継続実施:平成23年度には,液柱直径が30mm、粘性はより高い試料(20cSt,プラントル数=約200)を用いた.様々なアスペクト比(液柱高さと直径び)比)の実験を行い,軸対象定常流から非対称非定常流への遷移条件(臨界マランゴニ数)に関して液柱長さやプラントル数の影響に関する幅広いデーターを取得した.また,大液柱径で初めて,粒子集合現象(PAS:Particle Accumulation Structure)の観察に成功した. 2.レーザーフォトクロミック法による表面流速測定 表面流速をフォトクロミック法を用いて測定し、時間スケールの大きな長液柱に対して、本可視化手法が振動流遷移を判断するための鋭敏な手法であることが分かった.ディスク直径Dで無次元化した表面流速分布によって、異なる液柱長のデータおよび地上実験結果が良く整理できることを示した. 3.短い液柱の実験と解析:アスペクト比の小さい(短い)液柱に関して,地上実験を行い,周方向に倍数のモード数が同時に現れる粒子集合現象を見出し,粒子の軌跡を3次元的に計測した。線形並びに弱非線形安定性解析を行い,プラントル数が7の場合は定在波,また,25では回転波が安定な超臨界分岐解として予想されることを示した. 4.半球液滴の形成と液柱再形成:宇宙実験では,初めて意図的に液柱を分離させて半球液滴を形成し,その後再接続させることが可能となった.さらに,その際の液柱分離や再結合の条件を求めた. いくつかの国際会議,国内の会議において分担して研究成果の広報を行った
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