研究課題/領域番号 |
21360108
|
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
寺嶋 一彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (60159043)
|
研究分担者 |
鈴木 重行 国立大学法人名古屋大学, 医学部, 教授 (60179215)
野田 善之 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教 (60426492)
|
キーワード | 全方向移動 / オフセット型駆動輪 / 平歯車機構 / 全方向車椅子 / 差動駆動 / 操舵機構 |
研究概要 |
H21年度には、・平歯車を用いたオフセット形駆動輪を4個設計し、全方向駆動部、および全方向車椅子を設計・製作した。平歯車型オフセット駆動輪とは、「オフセット型駆動輪」と「平歯車機構」を組み合わせた機構であり、今までにない新しい全方向移動機構である。オフセット型駆動輪とは、車輪の接地点と操舵中心に前後オフセットsが付いており、接線方向に操舵回転速度ω_sによる速度V_sを発生させることができる。そして、車輪進行方向に速度V_ωを発生することができ、2つの独立した速度ベクトルによって任意の方向への移動が可能となる。オフセットがないと、同時に速度ベクトル発生はできず、行きたい方向に操舵した後駆動しなければならないため、瞬時に全方向へ移動できない。 従来のオフセット型駆動輪は、駆動と操舵を別々のモータにより行っている。操舵用のモータは方向転換を行う短時間のみ使用するため、必要とするモータの合計容量は大きくなり、モータの運用率も悪くなる。これに対し、本機構は、2つのモータの入力比によって駆動・操舵の出力を行うので、常に2つのモータを使用している。これによりモータ運用率が改善され、モータだけで約10[kg]減らすことができる。また、遊星歯車機構を使用した従来の試作機では、駆動の場合は3:-1、操舵の場合は1:1の入力比となるため、モータの出力費の調整が必要であった。しかし、平歯車機構では駆動の場合は1:-1、操舵の場合は1:1となるため調整は必要ない。これにより、モータの運用率は更に改善される。今回、屋外での走行も想定しているため、大幅な車椅子仕様の見直しがされている。今回の全方向移動機構は、縦0.6[m]、横0.6[m]の正方形状で、最大速度が6[km/h]、最大加速度0.5[m/s^2]、登坂角度10[deg]、60[mm]までの段差が乗り越えられる仕様で設計、製作されている。
|