研究課題/領域番号 |
21360108
|
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
寺嶋 一彦 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60159043)
|
研究分担者 |
鈴木 重行 名古屋大学, 医学部, 教授 (60179215)
野田 善之 山梨大学, 大学院・医学工学総合教育部, 准教授 (60426492)
|
キーワード | 全方向車椅子 / 差動駆動操舵機構 / パワーシスト / 人と機械のベストマッチング / オートチューニング / 介護者 / 電動車いす / ファジィ制御 |
研究概要 |
前年度までにおいて開発した車椅子は、制御システムが介護者の癖に合わせる形でチューニングシステムを構築している。しかし、操作に慣れていない初心者は、試行錯誤的に車椅子を操作し、徐々に上達していくため、ハンドルを操作する力の入れ方が変化してしまう。これにより、最初に決めたファジィパラメータでは操作性が悪化してしまう恐れがあり、この場合、再度チューニングが必要となる。介護者が心身ともに心地よく車椅子を操作するためには、介護者の操作熟練度(慣れ)に応じて機械が自動的に人間に合わせてくれ、さらに介護者の操作熟練度を向上させる仕組が必要である。操作熟練度は、同一動作に対しての操作力のばらつきで表すことができると考えられ、習熟するにつれてばらつきは小さくなる。本研究では、人間が機械に合わせるには限界があり、一方、機械が人間に合わせるにも、ハードウエア、ソフト上の複雑さにより実用的には限界があることから、両者の長所をとり、ベストマッチングした人間機械共存システムを究明することを目的に、車椅子だけでなく介護者の操作熟練度も制御システムの一部として組み込み、人間と機械のベストマッチングしたインテリジェントアシストシステムの構築を行った。それには、手振れの振動の統計解析を行ない、パワーアシストのフィルタゲインを操作者の熟練度に最適に適応させることで、よいマッチングが得られる制御システムを構築した。 全方向車いすのいろいろな場所での実地試験およびアンケート調査を行い、車いすの評価を行った。 比較的良好な結果を得ることができた。ただし、チューニングに時間がかかるため、今後その点については改善が必要である。
|