研究概要 |
白色干渉の位相を利用する垂直走査型形状計測技術は,極めて高感度であり段差を持つ超精密加工面の3次元形状評価に広く用いられている.しかし外部振動に弱いと言う大きな問題があった.そこで本研究では振動環境にあっても精度を落とさずに高精度計測を可能とするための技術を開発し,幅広い分野での超高精度形状計測を実現するための基盤技術の確立を目的とした. 平成23年度は以下のことを行った. 1.突発的な振動が加わる環境下での超高精度形状計測法の研究 これまでに,光路差の高精度リアルタイム計測法や,干渉像の露光開始時点制御技術,露光中に発生した突発振動の影響補正法をほぼ開発できた.今年度はこれらの機能を装置に組込んで突発的な外部振動を強制的に与えながら形状計測し,誤差を評価し残る問題点の改善を試みた.その結果,誤差を大きく低減できた.しかし小さな誤差がまだ残った.具体的には露光時間内(1ms中)に振幅100nmで幅0.5msぐらいの光路差変動を与えると測定結果にはP-Vで3nm前後の誤差が残る場合があった.原因解明と除去に力を入れたが完全な解決には至っていない. 2.ゆっくりとした大きな振幅の外部振動に合わせて,対物レンズ位置を制御する方法の研究 大型加工品を対物レンズ近くで接触させずにホールドし,一部を拡大し3次元形状計測しようとすると大きな振幅振動が発生する.この振動に対して,対物レンズ位置を光路差計測情報を基に制御し光路差の時間変化を直線に近づけると,カメラの機能を緩和でき計測結果のSNの改善を図れる.この高速レンズ制御方法を開発できた。
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