研究概要 |
本研究では,ナノテクノロジーにおげる三次元形状評価を定量的に行うことを容易に実現し,微小構造物の定量的三次元形状計測が困難な現状を打開することのできる新しい計測技術開発のために,平成22年度の研究において以下に示す成果を得た. (1) 21年度設置したFE-SEM(S4300)を用いて,格子ピッチ1μmのものに改善することによって,数nmの分解能へと高めることができた. (2) 21年度までの研究で,三次元計測が可能な測定原理へと拡張し,本年度はその測定原理に従ったシミュレーションを行い,本測定技術の測定精度を検討した. (3) 3次元計測における誤差解析を行った結果,格子のピッチ誤差が測定結果に大きく影響することが分かった. (4) 従来マスクを用いたパターニング技術で格子を製作していた.22年度にさらに微細な格子を作成することを目的として,EB描画機による格子製作技術を確立し,ピッチが1μm以下の格子作成を可能にした.この結果,測定精度をサブ-nmへ展開することが可能となった. (5) シリコン窒化膜による格子製作技術の確立に努め,製作プロセスを確立した. 平成22年度実施計画に示した基本的事項をすべて完了し,その成果をSPIE Optical Metrology (2011.5)において報告する予定である.
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