研究概要 |
本研究では,ナノテクノロジーにおける三次元形状評価を定量的に行うことを容易に実現し,微小構造物の定量的三次元形状計測が困難な現状を打開することのできる新しい計測技術開発のために,平成23年度の研究において以下に示す成果を得た. (1)本助成事業で設置したFE-SEM(S4300)を用いて,ピッチが2μmの格子を用いて,測定の分解能を数10nmへと高めた. (2)本研究の具体的な応用分野であるIC半導体回路の三次元形状計測を実施した. (3)測定の分解能をさらに高めるためにさらに微細な格子製作をシリコン窒化膜を用いて行い,ピッチが2μmの格子製作を可能とした.また,その製作プロセスを確立した. (4)測定原理に従って,3次元計測における誤差解析をコンピュータシミュレーションによって行った.その結果,格子設置時の垂直度と格子のピッチ誤差が測定結果に大きく影響することを明らかにした. (5)本研究の目的である微細構造物の三次元計測技術の開発が実験結果より当初の計画通りに達成されていることを確認した.またその成果を日本機械学会講演会において報告した. (6)本測定原理をさらに発展させるために,より汎用性の高いスペックルを用いた測定法の開発を進め,この内容についても機械学会講演会において報告した.さらに,ODF'12の国際会議において報告する予定となっている.
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