研究概要 |
高効率・高電力密度次世代電力変換器であるマトリックスコンバータは,27種類のスイッチングパタンが存在し,PWM制御の自由度が高く,統一的なPWM制御法が確立されていない。申請者が提案しているスイッチング回数低減PWM制御および瞬時実効値理論に基づいたリアルタイムPWMパタン評価法を発展させ,マトリックスコンバータの3種類の回路構成におけるPWM制御法を統一理論として導出し,制御目的に応じたPWM制御法を明らかにした。具体的に以下の3項目の研究を実施した。 1.三相/三相マトリクスコンバータの協調制御による統一PWM制御理論の確立 制御周期間のスイッチング回数を3回とするPWM制御法では常に2パタン成立することを明らかにし,瞬時実効値理論に基づいて出力電圧高調波を最小化するPWM制御法を導出した。シミュレーションと実験で提案法の有効性を検証し,スイッチング回数4回のPWM制御に対して,提案法の高調波はほとんど変化せず,スイッチング損失を3/4に低減できた。 2.単相/主相マトリクスコンバータの統一PWM制御法 単相/三相マトリクスコンバータ回路の2個の電力脈動補償用コンデンサの容量分担として片側だけに集中させることで,制御範囲を最大にできることを明らかにした。マトリックスコンバータの統一PWM制御法を用いて,スイッチング回数3回の単相/三相マトリックスコンバータの制御法を導出し,シミュレーションと実験で制御特性を検証した。 3.マトリクスコンバータ/インバータハイブリッドシステムの統一PWM制御法 スイッチング回数を4回とするマトリックスコンバータのPWM制御法の考え方に基づいて,提案システムのマトリックスコンバータにおいて,スイッチング回数を2回に低減できるPWM制御を導出し,シミュレーションと実験で改善特性を検証した。
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