研究課題
磁気浮上して非接触で回転するベアリングレスモータでは、回転子半径Rに対して、固定子と回転子のギャップ長gの比g/Rは0.01以下と小さいものが多い。単にギャップ長を大きくすると、(a)電磁支持力が減少し、タッチダウン状態からスタートできない恐れがある。(b)同様に、電磁支持力が減少し、回転時にアンバランスにより生じるふれ周りを抑制できない恐れがある。(c)ギャップ磁束密度が低下し、回転子が下方向に大きく沈み込む恐れがある。(d)トルクも減少してしまう。このような問題点を解決するため、ギャップ磁束を増加する新しい概念として、以下の点を検討した。(a)電動機巻線、支持巻線の融合を行い、起磁力を増加する。(b)極数を低減し、磁石厚を増加してギャップ磁束密度を向上する。(c)スラスト方向に永久磁石を配置し、ホモポーラ型磁束を発生してギャップ磁束を向上する。などである。このような新しいコンセプトに基づいて設計を行い、モータギャップ長評価指標g/Rが従来の10倍大きい0.1以上を実現するベアリングレスモータを検討した。まず、電動機巻線と支持巻線を共有する新しい巻線形式を世界に先駆けて発明し、特許を出願した。すなわち、電動機巻線導体を並列に接続し、一端を中性点とし、もう一端を支持力発生インバータに接続する新しい方式を提案した。この方式は支持、あるいは電動機専用の巻線が不要で有り、すべての巻線を支持、電動機の機能に共有できる方式である。次に、8極まで極数を低減したホモポーラ型ベアリングレスモータの最適化を行い、永久磁石貼り付け型ベアリングレスモータと比較した。この結果、ホモポーラ型はより小さい電流、起磁力で電磁支持力を発生できることを明らかにした。
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