研究概要 |
1.大飽和磁化と高い磁歪定数を有するFeCo系材料の探索 Fe-Co組成比や添加元素であるBの添加量と結晶構造や磁気異方性の関係を明らかにした。この結果、B添加量が4%付近が磁気異方性が最大となることや、10%以上の添加では結晶構造がアモルファス化が促進されることにより歪み誘起の磁気異方性が低下することが判明した。 2.斜方入射粒子の異方性発現効果解析と膜作製法の改良 膜面内での異方的残留応力が実現しやすくなるよう,堆積粒子の斜め入射角度依存性を調べ異方性エネルギー評価を行った。とくに添加Bの配位位置が異方的歪みの成因である可能性をみいだした。 3.下地層構造の解析と高異方性磁界発現のための膜作製法の改良 下地層の結晶配向の向上と,表面エネルギーの影響に関する考察からSi/NiFe/Ruの3層構造下地層を開発するとともに、その最適化を行って、550Oeの異方性磁界を得た。 4.高周波透磁率特性評価システムの確立と周波数特性評価 高周波磁性材料測定システムを購入し、強磁性共鳴特性の評価を安定して行うことができた。ほぼ理論どおりの共鳴周波数と異方性分散の特性評価を行うことができるようになった。また現時点で9.7GHzの共鳴周波数を示す膜の作製に成功している。
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