研究概要 |
本研究では,エリプソメーターのナノ測定技術を利用して基板表面(界面)の局所揺らぎを,弾性表面波の表面敏感性を利用してメゾ~バルクの流体揺らぎを,有限要素法流体解析を利用してマクロスケールのバルク揺らぎを解析し,薄膜堆積特性やその場測定結果と対比を図ることで,超臨界流体のマルチスケール揺らぎを「手なづける」ための方法論を構築することを目的としている。 本年度は、以下の4点を中心に研究を実施した。 1。実際の大面積化によるプロセスアプローチの検討:大面積チャンバを導入し,体積要素法を用いた容器内流動解析を実施した。また,境界層の不均一さの被覆特性への影響を検討し,流動が面内均一性すなわちcm級揺らぎに及ぼす影響を解析した。 2。点計測による表面吸着ナノスケール表面ゆらぎ現象の解析。エリプソメトリを用いて,膜堆積のその場成長観察を行った。偏光パラメータの異常共同を発見,モデル解析から吸着層の存在を実証できた。 3。高速撮像(2次元)エリプソメトリーの開発を目指し,YカットZ伝播のLiNbO_3(LN)電気光学結晶(4x8x40mm)を位相変調器とし,初期実験を行った。実験では,LN結晶のリターダンスが-90°から0°,90°,180°に変調されるときの,CCDから2次元画像からエリプソパラメータを得た。 4。「CO_2密度ゆらぎセンサ」の実現を目指し,LiNbO_3等の圧電基板上に弾性表面波共振子を作製,高圧CO_2中の振舞いを測定した。気相/液相間の密度と粘度の急激な変化を反映した周波数とインピーダンスの変化が観測され,二つの相状態を明瞭にセンシングできた。また,非圧電基板上の微小電極のインピーダンス変化によっても相状態を検出可能であった。 を行ない,プロセス・計測両面で所定の目標をほぼ達成した。
|