研究課題
本年度は本研究最終年度である。ここでは、昨年度達成した同位体ダイヤモンドによる超長周期超格子試料と高純度同位体ダイヤモンドをベースに、本研究を総括しさらに新たな応用展開へつなげて行く事が可能な基礎物性値を取得し、新しい機能性材料としての応用の可能性や物性値を提案する。また、ダイヤモンド同位体工学としての新たな研究分野の開拓につなげるための将来シナリオを検討することを目指す。具体的には下記の物性値の取得及び検証を実施した。結果は下記の通りである。(1)摩擦係数の取得摩擦現象の理論モデル検証の成功に貢献。それにより新規物性値の獲得と特許の出願を実施した。(2)弾性定数の取得ブリユアン振動による同位体ダイヤモンド膜の音響特性の評価より弾性率の定量評価を実施した。定量値に関しては現在再現性を含めた研究を継続中。(3)超格子同位体ダイヤモンドにおけるフォノンモードのシミュレーション新しい超格子モードによるフォノンを観測しPlanar bond-charge modelによる解析からフォノンが12Cだけに局在するモード、またはその逆に13Cだけに局在するモードがあることがわかった。フォノンエンジニアリングにつながる成果となる。(4)ドーピング超格子同位体ダイヤモンドにおけるキャリア移動度の評価移動度4173cm2/Vs at 150Kを達成。この移動度は現在までに報告されている中で最高値を示す。同位体ダイヤモンドの方向性の一つを示唆する。
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Nano Lett.
巻: 12 ページ: 2083-2087
10.1021/n1300350r
Diamond and Related Materials
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