研究分担者 |
宮本 明 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (50093076)
高羽 洋充 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80302769)
遠藤 明 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90344704)
畠山 望 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50312666)
鈴木 愛 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (40463781)
|
研究概要 |
半導体配線材料のエレクトロマイグレーション(EM)現象を電子・原子レベルで扱うため申請者らが予備的に開発してきた電子wind forceの効果を考慮するアルゴリズムは,1.超高速化量子分子動力学シミュレータを用いて配線材料の電子密度空間分布を算出,2.電気伝導シミュレータに展開し電子流分布を計算,3.得られた電子流分布に従って原子に作用するクーロン力を調節する,という流れになる.本年度は,電子wind force効果による原子移動アルゴリズムの精密化・定量化の具体的方策として,下記2項目を検討した: (1)Al,Cu配線など現在主流となっている配線材料の大規模モデルの構築:超高速化量子分子動力学シミュレータの利点である高速性を活かし,信頼性あるシミュレーションを行うには,配線材料について実験結果を可能な限り忠実に再現する大規模モデルを原子レベルで構築する必要がある.そのため,X線回折,振動スペクトルなどの構造解析・分光分析シミュレータを開発した.その結果,金属系材料や半導体材料などに対する構造解析・分光シミュレーションに基づき,各種材料の実験結果をほぼ再現することに成功した. (2)超高速化量子分子動力学シミュレータによる大規模電子状態ダイナミクス計算:上記(1)で構造を決定したモデルい,波動関数空間分布の時間変化を計算する.このとき印加する電界強度や温度を何通りか変化しシミュレーションを行い,電界強度と温度それぞれの因子に対する電子密度の時間変化を定式化して,電子wind forceをより精密化する.超高速化量子分子動力学シミュレータで使用する電子状態計算コードと分子動力学コードの繋がりを従来の手動型ではなく完全自動型にする必要性が生じたため,完全自動化超高速化量子分子動力学シミュレータを開発し,半導体表面や酸化物表面での電子状態ダイナミクスをより容易に計算できるようにした.
|