• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

キャリアエネルギー緩和現象制御に基づく半導体光デバイス

研究課題

研究課題/領域番号 21360165
研究機関東京工業大学

研究代表者

宮本 智之  東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (70282861)

キーワード電子デバイス・機器 / 半導体レーザー / 直接変調 / 量子井戸 / 共鳴トンネル / 半導体光増幅器 / 光情報伝送 / キャリア分布
研究概要

本研究では,従来の光デバイスの動作限界を大幅に打破るデバイス原理として,新たにキャリアの活性領域注入過程であるエネルギー緩和の精密な量子構造による制御機構を創出し,高性能デバイスの実現を目指している.その実現に向け,1.キャリア散乱・注入制御の詳細な原理・理論モデル構築と本手法の限界特性解明,2.デバイス試作に必要な半導体結晶成長技術の確立,3.デバイス試作に基づく現象の実験的検証とデバイスの実証について今年度の研究を推進し,以下の成果を得た.
1.緩和特性を個々のエネルギー状態に基づき考慮した光デバイスの動作モデルについて,準位数増加による数値解析精度改善を進めるとともに,これまで検討したトンネル構造の多重量子井戸化の有効性の評価と,新たなWell-in-well構造を提案した.これら構造の変調特性限界の条件依存性について解析を進め,数倍の変調帯域が得られる可能性を示した.また,半導体光増幅器(SOA)のパターン効果抑制条件の詳細な検討を進めるとともに,緩和速度制御はできないがキャリア蓄積効果の得られる低バンドギャップ構造を提案し,数値解析から高速動作への有効性を示した.
2.これまでのトンネル構造結晶成長条件を,より高品質化するための条件探索を進めた.得られた条件を用い,共鳴トンネル構造,Well-in-well構造,低バンドギャップ構造のデバイス結晶成長を行った.
3.Well-in-Well構造レーザで,通常量子井戸に近いしきい値電流密度の発振を確認した.また,変調特性実験に向けて狭リッジ構造製作条件の検討を進めた.さらに,低バンドギャップ構造のSOAを製作し,発光特性評価から自然放出光の増幅とみられる光出力特性を観測するとともに,そのスペクトル評価から光閉じ込め層へのキャリア蓄積を確認した.
今後,より高品質な結晶形成,高速動作に向けた変調特性や増幅動作評価,および理論と実験の違いの評価が必要である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 数値解析によるトンネル注入SOAの動作特性の解明2011

    • 著者名/発表者名
      反町幹夫
    • 学会等名
      第58回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      神奈川工科大学
    • 年月日
      2011-03-27
  • [学会発表] Well-in-Well量子井戸レーザの製作と測定(I)2011

    • 著者名/発表者名
      比嘉康貴
    • 学会等名
      第58回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      神奈川工科大学
    • 年月日
      2011-03-26
  • [学会発表] Well-in-Well構造による高速直接変調量子井戸レーザの検討2011

    • 著者名/発表者名
      比嘉康貴
    • 学会等名
      電子情報通信学会2011総合大会
    • 発表場所
      東京都市大学
    • 年月日
      2011-03-16
  • [学会発表] 変形トンネル注入構造としてのWen-in-Well量子井戸構造の電子緩和解析2010

    • 著者名/発表者名
      比嘉康貴
    • 学会等名
      第71回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2010-09-16
  • [学会発表] Numerical simulation of dynamic properties of high speed SOA with a tunnel injection structure2010

    • 著者名/発表者名
      Mikio Sorimachi
    • 学会等名
      Conference on Lasers and Electro-Optics
    • 発表場所
      San Jose,CA,USA
    • 年月日
      2010-05-18

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi