研究課題/領域番号 |
21360170
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 博司 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (20239528)
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研究分担者 |
塩見 英久 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (00324822)
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キーワード | アンテナ電極光変調器 / 分極反転 / Radio-Over-Fiber / 光集積回路 / 電気光学効果 / 空間多重無線通信 / パッチアンテナ / ミリ波 |
研究概要 |
本研究は、"強誘電体の分極反転構造を利用した高速電気光学変調技術"を用いることにより、複数の無線信号を同時に受信し、かつ、それらの無線信号を到来方向ごとに分離して異なる光信号に変換することのできる"高性能無線信号-光信号変換デバイス"を開発することを目的とする。本年度は下記の成果を得た。 (1)昨年度、一昨年度の研究成果をベースとして、60GHz帯の無線信号を分離することができるデバイスの動作解析と設計を行った。動作光波長は1.55μm帯とし、マイクロストリップ平行結合線路を用いた共振型電極とパッチアンテナとを直結したアンテナ電極構成を用いた。 (2)設計に基づき、デバイスを作製した。不要な共振モードの影響を避けるため、基板には0.25mm厚のニオブ酸リチウム結晶を用いた。光導波路の作製にはアニールプロトン交換法を、アンテナ電極の作製にはA1蒸着とフォトリソグラフィーを用いた。 (3)試作デバイスの基本動作実験を行った。試作デバイスの上方から60GHz帯無線信号を照射したところ、60GHz帯無線信号が光信号に変換されることを確認した。試作デバイスは設計どおりの周波数特性、距離依存性、偏波依存性を示した。 (4)無線信号-光信号変換における効率向上のために、2つのパッチアンテナを用いたダブルアンテナ電極構成デバイスを考案した。電磁界シミュレーションにより、変換効率が約4倍向上する可能性があることが分かった。さらに、アンテナ部分のみを低誘電率材料基板を用いた構成についても考察を行い、石英ガラス基板を用いた場合では、ニオブ酸リチウム基板の場合に比べて、アンテナ面積が約10倍になることを明らかにした。
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