研究課題
次世代トランジスタの候補としてSiナノワイヤトランジスタが注目されている.ナノワイヤ(NW)構造では電流を制御するゲート電極面がチャネルを囲い込むGate All Around構造になり従来の構造よりも電流の制御力が向上するが,この構造でも短チャネル効果やソース・ドレイン間のリーク電流などスイッチング特性の劣化や消費電力の増大,製造誤差の拡大のために新材料や新構造を用いたデバイスの必要性が高まっている.本研究ではオフリーク電流を低減し,オン電流を増加させ,サブスレッショルドスイング(S値)を改善する構造としてSiナノワイヤとInAsナノワイヤのヘテロ接合バンド間トンネリングを利用した新構造デバイスの特性解析を行っている.原子配置の決定にはValence Force Field(VFF)法の一つとして知られるKeating Potentialを用いたポテンシャルの安定点で原子位置を決定する手法を用い,電子状態に関してはsp3s*d5軌道を考慮した経験的強束縛近似法(empirical tight-binding法)を用いた.キャリアの量子輸送に関しては非平衡Green関数法(NEGF法)をデバイス内のポテンシャル分布を求めるPoisson方程式と自己無撞着に解きヘテロ接合ナノワイヤトンネルトランジスタ(NWTFET)の電流電圧特性を解析している.SiNWとInAsNWの電子波の分散関係につき検討すると,電子の減衰状態の比較において,トンネルを生じるバンドギャップ中のエネルギーに対してSiNWの減衰定数の方が大きく,SiNWのみでTFETを構成すると低リーク電流,低オン電流となる(S値が60mV/dec以下)のに対し,InAs NWのみで構成すると高リーク電流,高オン電流となることが分かる.このことから両者を組み合わせたヘテロ接合NWTFETが有効であることが明らかとなった.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEEE Trans. on Electron Devices,
巻: Vol. 59, No. 1, ページ: pp. 206-211
Journal of Applied Physics,
巻: Vol. 111, No. 6, ページ: 063720-1 -11
http://www2.kobe-u.ac.jp/~lerl2/j_research.html
http://www2.kobe-u.ac.jp/~lerl2/j_work.html