研究課題
(1) As_2S_3ガラスを使った微細構造ファイバの作製に成功した。さらに、ファイバのテーパー化にも成功した。155μmのフェムト秒レーザ励起により1μmから2.6μmにわたる平坦化されたスーパーコンティニューム(SC)光の発生に成功した。(2) また、1.55μmのフェムト秒レーザ励起によりAs-2S_3ガラス微細構造ファイバが可視光を発生することを見出した。この可視光はモード間位相整合により発生するTHG(Third Harmonics Generation)に起因することがわかった。この可視光により、As_2S_3ガラス微細構造ファイバに光ダメージが起こり、光の透過特性が急激に劣化して、SC光の成長が抑制されることを初めて明らかにした。SC光の更なる広帯域化には、この可視光発生抑制が不可欠であることを明らかにした。その抑制法の一つとして微細構造ファイバの単一モード化が考えられる。単一モード化によりモード間位相整合が抑制され、THGの発生が抑制されると考えられる。(3) 可視および中赤外領域の光透過特性優れたカルコゲナイドガラスの候補としてGe-Ga-Sb-S系ガラスの素材研究を進めた。屈折率特性、非線形性の解明およびラマン応答関数の解明を行った。またSbの添加量により屈折率制御ができることを明らかにした。したがって、Ge-Ga-Sb-S系ガラスを用いることにより、カルコゲナイドコンポジット微細構造ファイバの作製が可能であることを明らかにした。さらに、物性特性値をもとに波長分散特性およびSC光発生シミュレーションを進めた。(4) 単一モード微細構造ファイバの実現のためテルライトガラスを用いてナノ微細構造ファイバの実現を進めた。コア系120nmまでのナノ微細構造作製に成功した。単一モードテルライトナノ微細構造ファイバに成功し、単一モードSC光発生を確認した。
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